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仕事と生活が回り始めた 非電化工房住み込み弟子の記録 10/23-11/5

  • 先生がこんなことを言っていたのを思い出した。「仕事を早く終わらそうと、どんどんやっていくと、次から次に仕事が追加されていく。仕事にはそういうところがあるの。」

  • 同期弟子が、イライラを募らせた。タスクリストに仕事がどんどん溜まっていく。一つ大きな仕事があって時間が取られると、細かい仕事が後ろに回され、どんどんできなくなっていく。

  • カフェの壁修理がようやく終わった。長かった。三週間ぐらい費やした。

モルタルを塗る。この上に漆喰を塗る。値段がするので、モルタルをできるだけ分厚くする。
側にもう一箇所、奥が見えるぐらいの穴が空いていたので、板を張る。
板にはラス網をタッカーで留める。その上にモルタルを塗る。
漆喰塗り。まず梃子で振るうように塗っていき、凸凹しない下地ができる。
その上に、模様を塗る。肩をとにかく柔らかくして、子どもを撫でるように塗る。
写真に写る弟子の手際を見て欲しい。とにかく優しい。ニット帽がかわいい。
  • 簡単な仕事はすぐできる。後回しにする。タイミングがなくなる。やるとしたら、側で作業をしていて、手持ち無沙汰の人がやっちゃおうという。

壁の修理をしている間、穴が空いていたので直した。同じ幅の板ではなく、組み合わせた板がある。材料はサイズまで揃える必要はない。
  • 小さな仕事は増えていき、大きな仕事は終わらない。タスクリストは下に下に伸びていく。だから、優先順位、優先順位と考えてきた。今求められていることを一つ一つやっていくしかない。漏れることは仕方ない。割り切る。いや、割り切れない。我慢ならない。取りこぼされていくのが許せない。ある弟子はそう言う。言い合いになる。「でも優先順位なんだから。」「でもどんどん増えていくじゃない。」終わらない。考えた。優先順位とは何か。順位だから、並べる。並べるから、順番。順番があるから、そこに流れを見ることができる。仕事の流れ。大きな順に流れるライン。ラインに沿って、自分たちの時間も進んでいる。思いついた。「それなら、小さい仕事をする時間枠を設けようよ。」

  • 合宿所に猫が訪れた。名前はまだない。

  • 合宿所の掃除をした。小さい仕事だ。定期的に、場所を変えていく。

  • 弟子にダーニングを教えてもらった。小さい仕事だ。お礼したいと思った。でも、自分には技術がない。何もしてあげられない。落ち込んだ。それを伝えた。「じゃあ、ホットクを作ってよ」。

靴下に穴が空いていたので、ダーニングした。
1.縦糸を入れる。2.横糸を上下に入れる。3.糸の入口出口を靴下の裏に出す。4.チョボっとしたところに糸を通す。
コツは、縫うときに穴を縮めないこと。
  • 小さい仕事は、生活に関わることばかりだった。大きな仕事は、生活ではない仕事のことだった。大きな仕事ばかりやっていた自分たちは、仕事ばかり回していた。これからは生活も回していく。半年経って、ようやくだったなぁ。

  • 近くで銀杏がなっているそうだ。みにいこう。

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