暗路

ずっとずっと暗くって。そこには誰もいなくって。
それでも誰かを呼んでみて。じっとじっと待ってみて。

じゃあさあ、何が聞こえたかい?きっと何も聞こえない。
いいのさそれで、待ってて待って、どうにか待って。

そうそう、バスがやってきた。光のお目目のバスが来た。
じゃあさあそこに乗っちゃいな。怖くないよ、乗っちゃいな。

それでどこまでいくんだい。きっと遠いところまで?
それじゃあボタン押せないじゃん。じゃあなんで?

出発しちゃうよ、うかうかすると。車掌さんがみているよ。

車が横切る。向かい見た。
立っていた。白い女の。
電話ボックス、赤いの。

窓は雨でびしょ濡れで、私の涙を添えてみて。
ぼやけた蛍光、憐れむ衝動。

その先どこ先ゆかぬ先。
あーもう、なんだ、なんだって。

お姉ちゃんがやってきた。道路跨いでやってきた。
車に轢かれ、何度も轢かれ、びくともせずにやってきた。

おーいおーい、呼んでいる。呼んでいるのは私だって。

だって仕方ないんだもん。誰も呼んでもこなかった。
じゃあさあ窓に手を合わせ。

みるとそこにはおおきなかお。

ウキャキャキャウヒャヒャヒャノヒャヒャヒャムヒヒ

もう

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