銀雪
食品サンプルの一皿に
寒々しい冬の足音がきこえてくる
せがまれて付けた
こころぼそい電飾みたいな
申し訳程度の雪が陳列窓にも降り積っている
ちかづいて見てみれば
それはただの極細な糸にすぎないが
どこか温もり感じさせるような綿雪だ
蓮華のうえの雪だるまも不敵に笑う
小春日和の名残りが雲の隙間からのぞき
月光の残り火がちいさく鈴をならす
どうやら、中華料理屋にもクリスマスがくるらしい
どうやら、サンタクロースは餃子もいける口らしい
似合わないなんて言わないでやってほしいな
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