
甘い言の葉「溶け込む白」 厳選作品集
「溶け込む白」参加作品を10作品厳選しました。
◇出題文◇
#甘い言の葉 『溶け込む白』
— 甘い言の葉☕ (@Amai_KotonoHa) November 29, 2019
開始 12月01日(日) 09:00▷
締切 12月29日(日) 21:00迄
〇参加作品は全て拡散します
〇誰でも何度でも参加可能
○自・拡散・全読タグ等も追加自由
〇ご質問は @Amai_KotonoHa まで pic.twitter.com/taq8NgOOMh
今回のお題は「溶け込む白」で、テーマにしたスイーツはブランマンジェです。
— 甘い言の葉☕ (@Amai_KotonoHa) November 29, 2019
12月らしい白い冬をイメージさせてくれる作品をお待ちしてます。#甘い言の葉素材店
(写真素材はご自由にお使い下さい)#甘い言の葉 「溶け込む白」 pic.twitter.com/8XnFv8jpVj
*ブランマンジェとは*
ー今回、10選に選出された方々-
(番号は、閲覧用の付番である旨をご了承下さい)
-1-
雪のレトリックが美しい作品。屋根に積もる斑雪、町並みの銀世界。冬季限定の甘い思い出とも解釈出来ますね。
溶け込む甘さ、鼻腔と思い出に残る香りの記憶が引き立っています。
まるで 悪びれる事を知らない魔術師が
清澄なこどもに囁くまじないみたいに
雪解けを待たず 舌の上をなめらかに滑り
ひんやりと 喉元を冷やしながら心へと解けた
このように、詩として描かれた雪の背景を利用して、「白」を「雪」に、「溶ける」を「解(ほど)ける」として記しても面白いのかも知れません。
白い息が銀色に変わった街に
— ミランダ 会話お休み中m(_ _)m (@Miranda_mira_mk) December 2, 2019
似合うようになった季節
心密かに想い出す
甘い夢のようなひと時
まるで魔術師が囁く声のように
白く滑らかに舌の上を転がり
悪びれる事も無く喉を通り
心に溶け込んでくる
賞味した脳裏には
アーモンドのほろ苦く香ばしい
後味が残った#甘い言の葉 溶け込む白 pic.twitter.com/XURq3au923
-2-
硬質でいて繊細。
愛を知ることで得た傷(なみだ)が凍りつく。
嵌(はま)ると知りながらも心が傷跡をなぞる。行き場のない雪深い道のりを連想させます。肌寒さ、そして傷。メタファーとして雪深い道程がリンクしていて、美しくも悲しい女性的な目線、心の機微が感じ取れました。
温もり知ることで伴う残酷さ
溢れ出た液状痕は傷へと変質していく
▽
乗り越えられずに藻掻けば
深みに嵌るばかりで
▽
行き先もみえないまま
歩む足取りは徐々に白銀の闇へと導かれる
▽
自己欺瞞では振り払えない
白く厳しい視えないセカイ
答えを知ることだけが正義ではない
光と影の道にあるセイカイ
▽
悔いる前に心へと押し込んだ杭
伴う傷痕もすべて含めて自分を愛したいよね
※上記は、あくまでも可能性として提示している一例です。
この詩にはTwitterの文字制限からの解放が必要な詩情を感受しました。のびのびと、ゴールを気にせずに書くことでさらに美しくなるのではないでしょうか。
効果的な行明けと、最終連の愛へとつながる情報の開示。そして「セカイ」の二度打ちを同じ連に持って来て、少しだけ言い換えるだけで、より伝えたい事が明確になると俺は思います。
知ることで伴う残酷さ
— 月兎 桜香@文フリ京都せ11-12 (@tohka_uktn) December 3, 2019
溢れ出た液状痕は傷に変質
乗り越えなければ嵌るばかり
目的不明瞭で歩む毎日の
足取りは徐々に深みへと導かれ
判ったフリでは払えない
視えないセカイが迫り来る
悔いる前に押し込んだ杭
知ることだけが正義ではないセカイ
伴う傷痕も含めてジブンを愛したいよね pic.twitter.com/l8kMhyio3N
-3-
まるでマクロ撮影した瞳を見ているようです。
この「燃焼」は憤りや、強い意志とは異なるような気がする。
蝋燭のような限りあるものであり、歌い鳥のような華やか印象も与えてくれる…。
IRIS(光彩)の菊花のような、咲き誇る輝きでもあるのだと感じます。
『視覚効果』としての言葉の揺らめき。
瞼の表裏。その内側と外側それぞれに燃え移る、
カーテン向こう側から漏れ出す光と影の明滅。
顕になったその姿は
瞳が閉じられ、幕を下すと共に勢い良く火の粉を放つ焔(アイシャドウ)で、
白絹のドレスに赤い炎のようなティアラ
女王の冠(ティアラ)とはアイライナーで飾られた睫毛かな。
円を描くように、火勢を増し展開されていく火の粉が見事な作品でした。
#甘い言の葉『溶け込む白』
— 久我柳嘩 (@YRoodRose) December 3, 2019
君の瞳に揺らめく炎が歌う
その命を絶やすときを待ちわびて
垂れ下がる色を代償に訪れたのは
現世の中で最も明るい闇
顕になったその姿は
白絹のドレスに赤い炎のようなティアラ
苦くて辛いスパイスなんていらないから
今この時に甘えていたいと思う僕は
甘いだろうか
-4-
無傷の白に、新たな足跡が続く光景が浮かぶ。
「君」は厳冬の候にくしゃみでもしたのだろうか。
おそらく『心霊現象』という表現では足りないだろう。
残された生者の込み上げる寂寥感と、泉界の旅人(まれびと)が物思いに沈むようなメランコリック。
これは、不可視の逢瀬なのかもしれない。
新たな命のために、溶けていゆく思念であり、
どれだけ降り積もろうと隠せない未練なのかもしれませんね。
雪の性質をよく把捉(はそく)した、
「溶け込む白」にぴったりな作品だと思いました。
崩壊へと向かう星の真冬に
— 八朔 恋 (@RenHassaku) December 27, 2019
君が振り返ったと知った
そこに私はいないのに
あなたが泣いたか笑ったか
とにかく涙があふれていたと
風の噂で聴かされた
雪には体温が宿っているから
降り積もるなら想い出になる
けれどどんなに想い出にしても
それは新たな命のため溶ける#甘い言の葉 「溶け込む白」
-5-
風花が舞う街路。
色の視点変更から温度差が伝わる。
雪の白→暖色系のオレンジ→燃えるように華やかに咲くポインセチアの赤。
様々な色と「甘さ」が重なり合った。可愛らしい作品ですね
ミルク色のスイーツ
はそのままでもいいのですが、
何で(例えばスプーンであれば何色か、どんな材質なのか)食べたのか、
何を(ここは比喩を使わず、に単純にスイーツ名でいいと思う)食べたのかを明示することで、より作品に奥行きが出て、さらに作品の甘さが引き立つかと思います。
雪が降る道を
— なつのあや〜読書時間が欲しい (@Aanonomi) December 30, 2019
貴方と約束した場所へと歩けば
雑貨屋の店先で
オレンジ色の灯りに
照らされた
ポインセチアが
華やかに赤く咲いて
街を彩る
待ち合せた
レストランで
ミルク色のスイーツを
二人で食べると
柔らかな甘さが
口の中で溶けていく
時折
見つめ合う
長い冬の夜#甘い言の葉『溶け込む白』
-6-
珈琲(夜の闇)に螺旋を描き溶けてゆくミルク。
馥郁たる香りの世界に、
秀逸な詩としてのフレーバーも漂う。
ゆっくり流れていく特別な時間…。
落ち着いた硬質な文体でありながら
見るものを魅了する美しさがある。
イマジネーションが膨らむ作品でした。
コーヒーの表面で惑う
— 雲晴星雲 くもせ ぎゃらくしー (@Galaxyglitter_0) December 24, 2019
一筋のミルクに侵された夢
真っさらなシフォンケーキに
純真を塗った甘い嘘
そっと 君の心臓に触れる
紅のラズベリーに絆される
ゆっくりと広がる桃源郷
舐めとる度に 香り立つ
甘い誘いに堕ちていく#甘い言の葉 溶け込む白
-7-
粉雪の舞う夜の街角に
取り残されたかのような語り手の「私」
マッチ売りの少女のような面影(シルエット)が浮かぶ。
私と乙女は別人であり、片影(影法師)のような、自己を投影した一方にのみ与えられた繋がりでもあるのかな。
この二つの人影、接点は、うら寂しいつめたい情景に重なっているのかも知れません。
遠慮気味に下を向く白いシクラメンの清純さと、空を見上げ佇む乙女との対比が作品の奥行きを増していますね。
「溶け込む白」についてよく考察された詩だと感じました。
桃色の頬をした乙女が人々が行き交う中を空を見上げて佇んでいた。
を▽
桃色に頬を染めた乙女が
人々の行き交う街の冬ぞらを見上げ佇んでいた
と行分けし、少し言い換えるだけで文脈をより自然にできるかと思います。
ちらちらと雪が降る街角の夜。
— なぞみちゃん@のぞみん (@okoujiisan) December 6, 2019
街灯に照らされて桃色の頬をした乙女が人々が行き交う中を空を見上げて佇んでいた。
掌でお椀をつくり雪を受け取る。
私も粉雪のようなまっさらな心でありたい。
足元には白いシクラメンが優しく微笑むように咲いていた。
雪と乙女とシクラメン。
街角に白く溶け込む
-8-
降り敷く雪。白昼では無く、光の乏しい夜を照らす白雪だろうか。
頭、肩に、雪が消えずに「名残り」をのこす。
恐らくこれは漂白だろう。
心の色が積み重なる雪で洗い流されていく。
綿毛のような湿度のない乾いた粉雪。
感覚温度としての温もりを感じる。
手のひらに溶けて消えても
心の中に落ちた白は決して
消えることはない
結晶としての質量を失い言葉に決意が宿る。夜に降る優しい雪に擬人法を用いた抱擁。前述の「穢れ」と「癒し」へと繋がりますね。
雪の特性を活かした、
センスのいい作品だと思います。
#甘い言の葉『溶け込む白』
— 雛瀬智美【麻弥】 (@hinatomo_raison) December 18, 2019
街を染めていく白に
溶け込むように佇んでいた
純白の中で穢れた心根を
ただ、癒したくて
頬を滑り肩に落ちる雪は
あったかくて私を
優しく抱きしめてくれた
手のひらに溶けて消えても
心の中に落ちた白は決して
消えることはない
photo/Takuさん(@Taku_hazymoon) pic.twitter.com/NxeTrgsxF7
-9-
久しく会ってない旧友を懐かしむような語り口から、
思い出の向こう側でほほ笑むのは土砂まじりの北国の雪像であり。
濁りの白が、甘く丸く滑らかに滑る
の連から、味覚と嗅覚に残るにごり酒のフレ―バー(記憶)でもあることは想像に難しくありませんでした。
おそらくこの作品の特筆すべき点は、演繹的に繋がる銀世界の情景描写と、テイスティングをしているかのような五感による叙述の詩的表現の妙ではないだろうかと思う。
ふたつのゆきだるまが、読者が読み込むことで。活性酒のように芸術的な味わいになり、ゆっくりと溶けて鮮やかに広がるのですね。
去年のゆきだるま。
— 古代米ダブル (@kodaimai2) December 9, 2019
北国で見たゆきだるま。
濁りの白が、甘く丸く滑らかに象る。
ゆきだるま。
思い出辿るも此処に無く。
うたかたのように昇っては消える。
あの雪は淡く記憶と降り注ぐのに。
初雪はまだ来らず。
銀世界は彼方に。
また会えるだろうか。ゆきだるま。#甘い言の葉 「溶け込む白」 pic.twitter.com/LhPuzuSN5H
-10-
髪の毛に落ちた綿雪
風に惑う六花
余韻とは衣服についていた妖精の羽なのかもしれない
吐く息は白く、カーテンのように広がり
見渡す一面を厚く包み込んでいく。
霞む二つの黒のオブジェ
白む視界に消えて(溶けて)いく
ふたつの黒(人影)だろうか
一つの景色に紛れていく
敷き詰められた純白の光彩が
抱擁と共に舞い散る様が見事。
詩としては短いですが、凝縮された詩情を感じます。
絵絹のよう美しい光景が目に浮かびました。
#甘い言の葉
— Taku (@Taku_hazymoon) December 3, 2019
『 溶け込む白 』
解いた髪に紛れる冬の妖精
抱き寄せた風が余韻を運ぶ
白息のカーテン 襖雪のフロア
霞む二つの黒のオブジェ
一つの景色に紛れゆく#朧月の心 pic.twitter.com/1gYuWFnn2i