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能登の今を知り、出来ることを考える。

1月1日に発生した能登半島の地震で被災された方々へお見舞いを申し上げるとともに、亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈りいたします。

能登へ今後の支援を検討するために、東日本大震災でセミボラという取り組みを6年間一緒に実行したメンバーと、5/30(木)〜6/1(土)まで視察と一部への物資提供に行ってきました。乱筆ではありますが、いくつか書き留めておきます。なお、ここに記載したことは、あくまでも僕達が現地で見たり聞いたりしたことをベースで書いています。間違いがありましたらご指摘いただければ修正します。

主に訪問した地域は下記になります。(移動の際にも被災箇所は車で回っています)

  • 能登町の町役場のある宇出津地区、上町地区(ひらみゆきブルーベリー農園)、九十九湾地区、白丸地区、松波漁港付近

  • 珠洲市の宝立町、市役所のある飯田港付近から蛸島経由で三崎町付近

  • 輪島市の町野町曽々木付近、朝市のある中心街

  • 七尾市の北端にある旧西岸小学校

これから、能登にいこうと考えている方々のために僕達が気になった点を整理しました。

1.能登半島に行って良いのか?

まず、はじめに「能登半島に行っても良いのか?」という疑問についてですが、現地の方々へのインタビューでは「ぜひ来てほしい」という意見が大半でした。(逆に僕達がお会いした方々の中ではネガティブな意見はありませんでした)

そして、この「来てほしい」という意見には必ずしもボランティアでなくても良い、来てもらって今を知ってもらって、能登半島の美味しいものを食べて、被災していない場所であれば観光もしてほしい。そして、周りの方々に見たことや聞いた生の声を伝えて欲しいということでした。

7月には能登町では伝統的な"あばれ祭り"が開催され、今回視察に行ったメンバーも運営に関わっているそうなので、ぜひ注目していただければ幸いです。

能登町上町地区にある、ひらみゆき農園でも農園管理者の中森氏にお話を伺うことができました。

農園管理者の中森氏と共に

ひらみゆき農園は石川県で最大規模のブルーベリー農園であり、1,200本のブルーベリの木を管理しています。そんな農園も地震によって地割れ、山にある2つの農場で大規模な土砂崩れが発生し、苗木や成木に甚大な被害を受けました。土砂崩れや道路整備を行う復旧には2億円を超えるお金が必要と言われており、山の畑については復旧の見込みがたっていないそうです。

ブルーベリーは6月末から9月上旬まで収穫時期を迎えます。こんな甚大な被害を受けた農園でも、ぜひ収穫体験へ来て欲しいとおしゃっていたのが印象的でした。

2.道路は通っているのか?

もちろん通行止めの道路もありますが、主要な幹線道路や生活に必要な道路は復旧しており通ることができます。しかしながら、地割れや土砂崩れも多く発生しているため、路面はかなり凸凹している地域も多く、可能であれば車高の高い車でいくことをおすすめします。

3.上下水道は復活しているのか?

詳しい情報は各地域の市町区村のHPで確認いただくのが良いと思いますが、七尾市、穴水町は全域で復旧、能登町についても配水管は全域で復旧済み(一部の地域で給水管の破損がある箇所は復旧できていない)でした。珠洲市や輪島市は地割れや隆起による建物の倒壊も多く、地域によっては復旧できていない場所がある感じでした。輪島市内のコンビニでトイレを借りようと思いましたが、上下水道が復旧しておらず市立病院に行って欲しいと言われました。

4.泊まるところや食事を取るところはあるのか?

正直なところ、視察やボランティアに行くとして、ここが一番問題になる部分だと思います。宿に関していうと、元々、能登半島の穴水町から奥のエリアは小さな民宿や旅館が多く、被災された地域で宿として再開できている場所はかなり限定的だと思います。

七尾にある和倉温泉などの比較的大きな旅館やホテルも建物の損傷が激しく、営業を続けるのは不可能と言われているようです。

追記:能登半島で100年後に残したい自然共生型生活圏をつくる実験プロジェクトを推進している「現代集落」さんが宿泊受け入れ可能な宿のリンク集をリリースしたようなので参考にしてみてください。

令和6年能登半島地震から4ヶ月以上が過ぎました。 復旧に向けて、たくさんのボランティアさんにも奥能登に来ていただいていますが、 宿泊施設が少ないため日帰りになり、作業がなかなか進まない現状があります。 そこで、私たちは奥能登で宿泊できる施設をまとめました。

▶︎被災した家を片付けに行きたい時に泊まりたい。
▶︎ボランティアに行くときに泊まりたい。
▶︎仕事で1か月泊まりたい。 など、復旧、復興に携わっている方にご利用いただけたらと思います

現代集落

食事については、各市町村の中心街であればコンビニや小さな定食屋、カフェや居酒屋などは営業を再開しているお店が増えてきている印象でした。ただし、こちらも建物の倒壊が激しい地域については営業再開の見通しはたっていないようです。



5.ボランティアは来ているのか?できるのか?

こちらも1月から3月にかけて現地にはプロの支援者の邪魔になるので、来ないで欲しいというメディアの報道の影響か、社会福祉協議会が各地域で立ち上げているボラセン経由のボランティアの人数は足りていないという話を能登町の復興推進課の灰谷氏に聞きました。

また、その要因として、石川県がまとめて募集→各ボラセンへの振り分けをおこなっているので、直前までどこに派遣されるか分からない(自分で地域を決められない)ため、宿や食事の準備のハードルがとても高いと感じてしまう部分も大きいと考えられます。

さらに、今回、視察をしている中で、建物の倒壊が激しすぎる地域が多いため、一般人の僕達が数人で行ったとて、何ができるのかが見えてこないというジレンマに襲われたのは事実です。

しかしながら、旧西岸小学校を拠点に活動している、災害NGOの結の代表の前原さん(TOMさん)のお話を伺ったことで、この懸念はすべて払拭されました。

結は七尾市北端にある小学校を拠点とし、能登半島全域にボランティアを派遣しています。各地域のリーダーはNGOの社員であり、各地域のニーズを現地で日時でキャッチアップし、翌日の活動に活かすという活動形態を取っています。

前原さんに状況をお伺いするメンバー

また、拠点である旧西岸小学校には宿泊所、お風呂、食事なども準備されており、学生や若い方々に対しては無料で提供しています。もちろん我々のような社会人についても安価で利用できます。

ボランティアの種類も多岐にわたり、ボランティアに来た方々に合わせて、各地物資を届けたり、倒壊した家の中から大事なものを取り出すお手伝いや不要品の整理、重機を使っての建物の解体などもおこなっています。

ライトなものだと、津波が来た地域で現地の方々と一緒にビーチクリーンをおこなった後に、現地の方々と一緒にごはんをつくっておしゃべりをする(=心のケア)などボランティア初心者でも参加しやすい仕組みづくりをおこなっていました。

代表の前原さんも今回の能登の震災は10年がかりでの復旧、復興が必要であり、過疎で高齢化率が50%を超える地域をどのように復興させていけばよいのか、関係人口をどのように増やして行けば良いのかなど、ボランティアの方々とアイデアを出しながら進めていきたいとおしゃっていたのが印象的でした。

今後の継続的な支援のためのアイデア

結さんの被災地への考え方や活動については日本財団ジャーナルにも取り上げられていますのでぜひ一読頂ければと思います。

6.さいごに

今回、視察にいってみて感じたのは同じ地震でも、東北や熊本とは全く違った災害であり、近くの大都市の金沢からだと珠洲市や輪島市へいこうとすると3時間程度はかかってしまうという距離的な問題も大きいと感じました。

僕達に何ができるのか、まだ考えがまとまっていませんが、継続的な支援が必要であることは間違いないため、これから一歩ずつ進めていければと考えています。

これを読んでいただき興味を持った方は、ぜひ一度能登半島まで足を運んでいただければと思います。阿部と一緒に支援しても良いよ、行ってみたいのでアテンドして欲しいなど、ご意見やご要望があればX(旧Tiitter)のDM等で連絡いただければ幸いです。

https://twitter.com/1pacfiresoul

今回、能登半島にいくにあたって3年前に金沢へ移住したワンパク元スタッフの道家さんにアテンドいただきましたが、彼の紹介で、東京からの移住されたご夫婦が営んでいる民宿「土とDISCO」の田村夫妻にお世話になりました。道家さん、田村夫妻、本当にありがとうございました。

お世話になった土とDISCOの前で一枚

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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