僕がヤフーの人事を辞めた理由②
さて、今回は自分の想いを火と焚火にたとえて整理してみようと思う。
なぜ火なのか?それは火はとても美しいと感じるからだ。
また、僕自身は焚火の火を見ているととてもリラックスができる。
また焚火を囲んで仲間と対話をすると、不思議と本音で話すことができるし、そこからいろいろなアイデアが生まれていくのを実感している。
今まさにこういった何かを生み出す対話の時間がさまざまな場所で必要となっているのを強く感じる。
そういった場にはいろいろな意味で”美しい火”が存在しているなと感じる。
実際に焚火が燃えている火、人が自分の使命に気づきその使命を全うしようとする火(エネルギー)、組織が一丸となって何かを成し遂げようとする集合の炎(エネルギー)など、実際の火だけでなく内なるエネルギーも火に置き換えられると感じているし、その火や炎が美しければはやり人は魅了されていくし惹きつけられる。
僕自身はそういった美しい火をたくさん創ってみたい!創るお手伝いをしていきたいと強く感じるようになった。そして、そこに自分の内なる火があるんだろうと強く感じるようになった。この内なる火を燃やし続けることで
自分自身のエネルギーを最大化していけるといいなと思うし、それがだれかのためにつながってくれれば本当にうれしい!
だからこそ今回はこの火というテーマで書いてみようと思う
■焚火(着火~維持~消化)の手順
【STEP1】
きっかけとなる火が必要になる。最初は小さい種火から始まり、徐々に大きな火→炎に変換していく
・細い木や燃えやすい枯葉など(着火剤となりえるもの)
・種火(ライターやチャッカマンでも)
【STEP2】
種火から徐々に太い木へ変更していき、焚火全体の炎の量と熱量を上げていき、太い薪を入れられる環境を作っていく
・燃えやすい針葉樹の中太の薪
・焚火全体の熱量を上げていく
【STEP3】
ある程度の熱量、炎の量ができたら太い薪を入れ、安定した火を作っていく
・燃費のよい薪(広葉樹)を投入する
・新鮮な空気(酸素)が常に入るようにする
・炎が集まりやすい環境を作る
・太い木が燃えやすい熱量を維持する(隙間)
※補足
・針葉樹:燃えやすいがすぐに炭化するので、火持ちは良くない
・広葉樹:燃えにくいが、火持ちはとてもよい
・針葉樹の枯葉など:着火剤としてとても最適
【STEP4】
安定した炎ができたら、維持をしていく
・炎を維持するために定期的に薪をくべていく
・薪をくべる際に空気が入りやすく隙間を作っておく
・薪組が崩れたら、適度に空間ができるように再構築する
【STEP5】
消化の際に行うこうことはまず炎の分散である
薪に点いた火は熾火となり、なかなか消えにくい
・薪組を崩して、炎を分散させる
・分散をすることで、熾火状態となり、沈静化していく
・急ぎの時は空気(酸素)を蓋などで遮断する
※基本的に水はかけない
※焚火においてのポイント
①最初からいきなり美しく大きな火にはならないので、徐々に火を作り上げていくこと
②薪の性質、特徴を理解して、STEPによって使い分けが必要
③火の集合体が炎となりより大きく美しく燃える
④大きく美しく燃えるためには適度な手間が必要
⑤火を消すためには、火の分散と酸素の遮断が効果的
■焚火から見えてくること
①最初からいきなり大きく、美しい火にはならない、徐々に作り上げる
②薪の性質、特徴を理解し、使い分けること
まずこの2点から、人材育成や組織創りにとても共通する部分がある。
それは、いきなり大きなものや美しいものはできないということだ。
最近は最短距離での正解を求め、いきなり大きな火になろうとする傾向に僕は見える。
そこに無理が生じるからこそ、さまざまなハレーションやストレスになっているように感じる。火は徐々にしか大きくならない。この徐々に作り上げていくそして、今どのSTEPなのかを理解して、どんな薪をくべるといいのかを適切に理解をしていく必要があると思う。
そして着火の際に大事なのは種火だ。これは外部刺激におきかえられるだろう。着火するにははやり外部からの刺激が重要なのだ。また、薪の性質も適切に理解をしておく必要がある。薪の性質を理解しているからこそ、どこにどんな薪を投入をすればより大きな火になるのかを見極めることができる。
薪の見極め無くして、焚火を大きく美しくすることが難しい。
これって人材育成や組織創り、事業を創っていくことでも同じなんだろうと感じる。人にはそれぞれ強み、特徴、役割がある。個々人の役割、特徴を適切に引き出し、ステップに応じたいいタイミングで組織に投入していく。こういう状況こそが、組織や人が大きく燃え上がる重要なポイントなんだろうと感じる。だからこそ組織には、個々人の特徴をうまく引き出す演出家的な人が必要なんじゃないかと感じるのだ。
演出家は個々人の特徴をうまく引き出す役割の人と聞いたことがある。その人の性質を見極め、引き出し、きっかけを与えて燃え上がらせていく。そして、その個々の火を一つの焚火にして、美しく、大きくしていく役割なんだろう。まさに今、組織で必要なのは、こういった特徴を適切 把握し、引き出し、着火することができ、適切なタイミングで適切な人を投入することができるリーダーがいるんだろうと感じる。だからこそ、リーダーがどんな焚火にしたいのかをイメージできていることが大事なんだろうと思う。
リーダーだけが理解すればいいのではなく、組織の中にいる人すべてが、個々人の特徴を理解し、認めることがはやり重要だと思う。強み、弱みは人それぞれ違う。 だからこそ強みを発揮する場所も違う。強みと強みを足して強く大きく美しい炎に変え、それぞれの弱みを 薄めていけばいいのだろうと思う。
焚火の薪の性質と同じように、ステップに応じて、最適な薪があるように、組織もステージに応じた適切な役割の人が必要なんだろうと思う。自分の性質がどのステップに合致するのかを、個々人が適切に理解できると、とてもいいのだろうなぁと思う!そういう理解があるからこそ、美しい火を維持できるんじゃないだろうか?
③火の集合体が炎となりより美しく燃える
火は集合体となることでより大きくなる。その状態がまさに美しく燃えていく。薪1本だけだと火も熱量も少なくなっていき、消えてしまうことも多い。消えないためににも火の集合体を維持し続けることが大事になってくる。ここで大事なことは、集合体にすることで大きくなっていくこと。
自分の中で熱い想いがあったとしても、一人だけだと火と同様に大きな火(想い)にはなりにくい。そこに同じ志をもった仲間という存在があるからこそ、より大きな火(想い)なっていくのだと思う。
そうなると、どこでどんな焚火をしたいのか?これが組織でいうVisionや理念になるんだろうと感じる。そのVisionが明確で、共感、伝わりやすいものであれば、仲間は集まり、より大きなものになっていくのではないだろうか。
だからこそ、自分の火はどんな火なのか?どこで一番大きな火になるのか?これを知っておくことって大事だと思う。火も炎も自分の強い想いも僕は同じエネルギーなんじゃないかと思う。エネルギーは集まれば、より大きく、強いエネルギーとなる。その強いエネルギーの集合体が組織になればすごくいい状態になる!それはだれしもが知っていることだろう!
エネルギーをより集めやすくするために、どこでどんな焚火にするのかを言語化したものが、Visionや理念なんだろうと思う。
美しい炎は人を不思議と魅了していく。だからこそそのエネルギーをVisionにこめていくことが大事なんだろうな。 それはかっこいい言葉でなくてもいいのだろう。強く美しく燃えている様はまさにVisionそのものし、目にみえるものだと 思う。目に見える火があると自然と人は集まってくるはずだから!
④大きく美しく燃えるためには適度な手間が必要
エネルギーが結集し、より大きな炎となっても、それを維持していくには適度が手間がとても重要なのだ。その手間は熱量が大きくなりやすい隙間(空間)を作ること、新鮮な空気を入れること、薪をくべること。 この手間なくして、美しい炎は維持できない。 急いで大きな炎にしようと、薪をくべすぎると今度は逆に火は小さくなってしまうことがある。 理由は熱を対流させる隙間がなくなってしまうからだ。隙間が適切にあるからこそ、火は美しく燃える。その隙間をバランスよく維持することがとても重要なのだ。
これって人が自分の中の火を大きくしていうためにとても重要なことなんだろうと僕は思う。適度な隙間(余白、余暇、遊び)があるからこそ、火は強く美しく燃え続けるのだろうと思う。もちろんエネルギーとなる燃料(薪)と空気も必要だ!このバランスを自分で維持できるかどうかってすごく重要な観点何だろう思う。最近は効率化を求めすぎて、この隙間や余白を排除しようとしすぎているように感じてならない。組織にも人にも適度な隙間を創ることをわすれてはならないのだなぁと。
最近リモートワークが推進されて、良いこともたくさんある一方で、雑談する機会がめっきり減ってしまっている。組織において実は雑談って隙間を創る一つの手段だったんだろうなと改めて思う。それはみなさん肌で感じてること だろうと思う。だから最近敢えての雑談タイムが増えているんじゃないかなと思う。
そして、自分自身に置き換えてみると、隙間を維持するだけでなく、様々な燃料となりそうなもの、空気となりそうなものをどんどん取り込んでいきたいと思った。そこには仕事やビジネスだけでなく、趣味やアート、音楽なども含めてさまざまな知見、経験を取り込んでいきたいと感じた。
多種多様な経験が自分の火をより大きくできるものなんだろうなと!これからも自分がやってみたいと思うことがあればまず経験してみることを意識していこうと思う。それが自分の火を大きく維持するために必要なことだろうと思うからだ!
そして、美しい炎は人を魅了もするし、安心もさせてくれる。
美しい炎があることで、その周りで対話も弾むのだ。実際に焚火を囲んで対話をすると不思議といろんなアイデアがどんどん出てくるし、人の本音というもの現れてくる。美しい炎が実は対話を弾ませ、より新しいアイデアやイノベーションにつながっていくんだろう。
僕はこういう場をどんどんつくっていきたいなぁと感じる!そこで対話を通じたエネルギー交換的なものをやってみたい!と強く感じるようになってきた!そこでよりよいもの、おもしろいもの、楽しいものが出来上がれば最高だな!
⑤火を消すためには、火の分散と酸素の遮断が効果的
火を鎮静化させることは、意外にも簡単にすぐできてしまう。それは分散と遮断だ。それぞれ火が点いた薪を分散させることで、一気に炎を鎮静化することができる。また、完全に火を消すには酸素を遮断すればいいのだ。
この分散と遮断って今組織においてリモートワークでおきえている状況ではないだろうか? それぞれ火はついているが、リモートワークで集合体になりにくい現状がどうしてもでてしまう。そうするとどんどん炎は小さくなっていく、各自は燃えていても、大きな火になりにくい。けしてリモートワークが悪いのではなく、炎を維持するための仕掛けが別にいるのだと思う。
せっかくの美しい炎を分散させて消さないようにしていくためには、やはり僕は集合コミュニケーションだろうと思う。対話する時間があることで、つながりを感じ、維持ができるきっかけになるんだろうと思う。
これを忘れないことが火を維持していくことなんだろうなと思う。
一旦鎮静化した熾火状態になっても、完全に消えているわけではない、徐々にまたステップをはじめからやっていけばすぐに火はつく状態になる!自分の所属する組織がどんな状態なのかここの見極めが火を鎮静化させないことにつながっていくなと思った。
⑥最後に
先日ネイティブインディアンの焚火に関する話をきいた!
その話にあったのは、感謝ということなのだ!必要以上に火を大きくしない、火を消した後はその場に対して、そこにあった薪となる枯れ木に対して感謝の念を忘れないということだった。
焚火からたくさんの恩恵を受けることができる。熱や光がまさにそうだ。火からたくさんの恩恵を受けてきたのだ。
だからこそそこに感謝というのをわすれてはならないのだなと!
感謝があるからこそ、その火はより美しくなるのだろうと思う。人は一人では生きられないからこそ、かかわるすべての人に感謝を忘れず、自分の火を大きくしていき、その火で還元できるようにしていきたいと心から思う!
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