fragments
裸になって寝袋に入って眠ると、ミノムシになった気持ちだ
だけど油断すると朝になって、分別しないでそのままゴミに出されそう
梅の花を散らす雨が
強くトタン屋根を打っている
朝
ベランダの巣箱の前に
小鳥の餌を広げる
あなたの平凡な日常の中にたくさん散りばめられた
微笑ましい光景が忘れられない
わたしの知っているあなたはほとんどの時間苦しんでいた
体が痛い体が痛いといつも呻いていた
あなたがリウマチで曲がった肘をハンガーがかけられて便利やって笑うみたいに
わたしも自分の傷を笑い話にするようになりました
痛いことは目をつぶっているうちに過ぎ去っていくことを知っているから
なんぼ叩かれても別に平気
でもあなたの痛みはどうやら終わらないようだ
どんなにきつい薬を飲んでも
そしてあなたは何度も死んでいった
梅の花を散らす雨が
強くトタン屋根を打っている
朝
ベランダの巣箱の前に
小鳥の餌を広げる
痛いときにいたいということは何も間違っていない
それほどに痛いから叫んだあなたは正常だった
あなたが発狂したといって閉じ込めてしまったことが過ちだった
いきたいのにいきたいと言えなくて袖を切る
兄がミルクをけった 土をなめるねこ
「ほしいけどあんたのくれるものは何一ついらない」
興味ないねんと突き返されたプリント