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「ガラスの仮面」は現代でも通用する面白さ

※この記事は若干のネタバレを含みます

こんにちは。前回のNANA雑感想記事にて同じ未完作品として「ガラスの仮面」の名前を挙げたのですが、それで思い出してしまい、現在一から読み直し中です。改めて思うけどやっぱり面白い…高校生の自分にも響く面白さです。
感想を何記事かに分けて書いていきたいと思います。


舞台設定

主人公の北島マヤ、横浜出身の中学生の女の子。あらゆる場面で平凡な〜とかつまらない〜とかの酷い二つ名を付けられています。父はなく、しがない中華料理店の住み込み店員として働いている母からは「つらもよくないし何の取り柄もない子」と繰り返し言われる始末。
周りからの当たりも強く、令和の現在では中々ないような過酷な環境ですが、この時代の価値観としては普通だったのでしょうか。

ジャンプ漫画の如く、こういう冴えない主人公がとんでもない才能を開花させていく展開は面白いですよね…「ガラスの仮面」の面白さというのはその過程を描くのがめちゃくちゃ上手いところにあると思います。マヤの場合は演劇の才能ですね。

それはもう大者の姫川亜弓さんにこの顔をさせるほど

おそらくガラスの仮面で一番有名な画像。

さて、この白目を剥いてる姫川亜弓さん、漫画を読むまではなんか悪役ポジなのかな〜と思っていましたが、むしろ味方なんですね。周りからバカにされ続けるマヤの本質を見抜き、その才能を認めた上で対等にライバル心を燃やしてくれる方です。
その上本人の実力も凄まじく、プライドもちゃんとある。あとは普通に性格もよく、マヤをバカにしてくる人に反撃してくれることも多いです。こんなん好きになりますよね。
このスカッとする描き方も漫画を読みやすくするコツなのでしょうか。

頭も悪くてなんの取り柄もない、平凡な家庭環境で生まれたマヤ。大女優の娘という肩書きを持ち、遺伝された美貌と裕福な家庭環境を持って生まれた亜弓さん。アツい戦いですね〜〜


1~5巻までの感想

とりあえず今読み直したところまで。てか、こんな展開早かったっけ?全部で40巻くらいあるんですけどこの時点でかなり進んだような気持ち。

マヤって最初から大きな舞台で戦ってるわけではなくて、成長に合わせて変わっていくんですよね。学芸会から始まり、他劇団で観客としての特別稽古、所属劇団内での発表、所属劇団での全国大会…何が言いたかというと、マヤはその一つ一つの舞台でその場に合った才能を発揮し、それまでバカにしていた周りを圧倒させてから次の舞台に移っていきます。
毎回同じ展開の繰り返しだし順調すぎてもつまらない!って人もいると思いますが、この漫画はその「周りを圧倒させる方法」にも凝ってる分面白いんです。演劇の手法やコツというところが理屈的に解説されるので、演劇未経験の読者にもわかりやすく伝わってくるんですよね。あとは、演劇というコンセプトが比較的現実的なものなので感情移入しやすいってのもあると思います。

私が特に好きなのは、劇団つきかげに見学に来た亜弓さんとマヤとの初めての対決のシーンです。「はい」「いいえ」「すみません」「ありがとう」の四つのセリフのみでどこまで自然に相手役と会話を成立させられるか、という内容の稽古ですが、これを当時超演劇初心者だったマヤは、大女優の卵である亜弓さんとやることになります。
しかし、マヤは演劇に関しては天性の才能の持ち主(本人は無自覚ですが)。演技力が未熟だろうと演劇への向き合い方はとてつもなく、そのたった四つのセリフにも言外の意味があることを何日もかけて理解し、パントマイムと共に2時間も使いこなしました。

『ガラスの仮面』第2巻 より

いや〜〜気持ちいいですね。


亜弓さんの他にも、マヤを巡って2人の男性が出てきます。マヤのライバルである芸能会社のハンサム次期社長、速水真澄。ライバル劇団でありながら心優しくマヤに好意を寄せている好青年、桜小路くん。
前回読んだときは男性キャラアレルギーとかいうとんでもない逆張りを発揮してたのでこの2人には何も思いませんでしたが、今読むとちょっとかっこいいなとか思えるようになりました、特に桜小路くん。成長したなー(?)

とりあえず今回はここまで!次は6〜10巻の感想を上げたいと思います。

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