20180612社説から見る現代日本
おはようございます。
本日のオススメは読売の「「袴田」再審棄却 鑑定への評価が明暗を分けた」です。
疑わしきは被告人の利益に。
この刑事裁判の鉄則は、再審にも適用されます。制度や運用に留まらず、人々の意識についても、客観的な検討を続ける必要があると思います。
以下、読売社説からの引用です。
「進歩が著しいDNA鑑定の評価の難しさが、浮き彫りになった。
「袴田事件」の第2次再審請求で、東京高裁が再審開始を認めた静岡地裁決定を取り消した。
地裁が再審開始の根拠としたDNA鑑定について、「深刻な疑問がある」と判断した。その上で、再審を開始すべき明白な新証拠に該当しない、と結論付けた。
(中略)
2014年の地裁決定により、袴田元被告は拘置所から釈放されている。高裁は、釈放と死刑の執行停止の判断は維持した。
袴田元被告は82歳で、持病もある。姉と暮らし、逃亡の恐れも少ない。直ちに再収容しない理由について、高裁はこうした事情を挙げた。異例の言及からは、確定死刑囚である袴田元被告の身柄の扱いに苦慮した形跡が窺うかがえる。
第2次再審請求から、既に10年以上が経過している。地裁が再審開始を決定してからでさえ、4年が過ぎた。弁護側は、高裁決定を不服として、最高裁に特別抗告する方針を示している。
これほど長い時間を要する状況は、改善できないものか。死刑か、無罪かが争われている再審請求事件である。元被告を長期にわたって不安定な身分に置くのは、好ましいことではあるまい。
再審請求審は本来、裁判のやり直しをするかどうかを決める非公開の手続きだ。有罪か無罪かの結論を出す場ではないにもかかわらず、再審開始の是非を巡り、入り口で延々と争いが続いている。
いったん、再審開始決定が出たら、原則として再審に移行し、公開の法廷で決着をつける。こうすれば、結論に至るまでの時間を短縮できるのではないか。
(中略)
再審に関して、刑事訴訟法に証拠開示のルールを明文化することも検討すべきだろう。」
<社説一覧>
日経:自由と民主の旗を振るG7がなくては/原発への不安をどう拭うか
http://www.nikkei.com/news/editorial/
読売:きょう米朝会談 非核化と緊張緩和の一歩に/「袴田」再審棄却 鑑定への評価が明暗を分けた
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/
産経:米朝首脳会談 「同盟の真価」が問われる/新潟知事に花角氏 国際的視座に原発を置け
http://www.sankei.com/column/newslist/editorial-n1.html
毎日:新潟知事に与党系・花角氏 今後も原発に慎重姿勢を/新幹線で無差別殺傷事件 安全対策の余地はないか
https://mainichi.jp/editorial/
朝日:袴田事件再審 釈然としない逆転決定/G6プラス1 米国の独善が招く苦悩
http://www.asahi.com/news/editorial.html
※『社説から見る現代日本』マガジンhttps://note.mu/1minute_history/m/m70d97edb0376
※『1日1分歴史小話』マガジンhttps://note.mu/1minute_history/m/m7db9a358d26a
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?