20180407社説から見る現代日本
おはようございます。
本日は産経を除く四紙で「働き方改革法案」についてを社説に取り上げています。
問われているのは、誰のため、何のための「働き方改革」なのか。
個人にとってはより自分に合った柔軟な働き方を手に入れること。会社や組織はそれを通して生産性や効率性の向上を図ること。これらが「働き方改革」の根幹だと思っています。
以下、各紙社説を引用しています。
日経:「法案の柱は3つある。ひとつは残業時間への上限規制の導入だ。同じく労働時間の制度改革として、働いた時間でなく成果をもとに賃金を決める「高度プロフェッショナル制度」の新設がある。そして正社員と非正規社員の不合理な待遇差をなくす、「同一労働同一賃金」の制度化である。
いずれも、日本の雇用と賃金をめぐる制度の節目の改革となる。仕事の時間配分を本人にゆだねる裁量労働制の対象拡大が調査データ不備で先送りされたのは残念だが、法案が成立すれば、米欧に比べ見劣りする日本の生産性を高める効果は大きい。
経済・社会の構造変化に対応するために、働き方改革は具体化を急がなければならない。」
読売:「野党は、高収入の一部専門職を労働時間規制の対象から外す「脱時間給」(高度プロフェッショナル)制度の削除も求めて、政府への攻勢を強めている。新制度は、一定の職種について、賃金と労働時間を切り離し、成果で評価するものだ。
仕事の多様化に対応し、効率的な働き方を促す狙いは、時宜にかなっている。重要なのは実効性ある働き過ぎの防止策だ。野党は「過労死促進法案」などと批判するが、長時間労働ありきの考え方だろう。建設的な議論を展開すべきだ。」
毎日:「労働時間よりも独創性によって労働の価値が決まる仕事の場合は、高プロや裁量労働制について議論する意義はある。しかし、現実には残業代を抑えるため、裁量労働を適用できない人に適用して長時間労働をさせることが横行している。(略)
現実に起きている弊害を認めず、メリットばかり強調するから矛盾が露呈する。これでは政府案に不信が深まるばかりだ。(略)まずは、弊害に対して徹底した是正策を講じるのが筋ではないか。」
朝日:「政府は今回の法案から裁量労働制の対象拡大を削除した。だが、問われているのは、残業代や割増賃金の規制を緩めて、長時間労働や過労死が増える心配はないのか、という点だ。裁量労働制以上に規制を緩和する高プロを、そのまま法案に残す判断は理解しがたい。」
<社説一覧>
日経:働き方改革法案を今国会で成立させよ/文氏は国民統合へ道筋示せ
http://www.nikkei.com/news/editorial/
読売:働き方改革 国民の不信感払拭に努めよ/電力ガス自由化 消費者への恩恵が物足りない
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/
産経:朴前大統領に有罪 民主国家として未成熟だ/民進・希望の合流 元に戻って何をするのか
http://www.sankei.com/column/newslist/editorial-n1.html
毎日:働き方改革を閣議決定 残業時間の規制が原点だ/朴前大統領に懲役24年判決 過剰な「清算」を懸念する
https://mainichi.jp/editorial/
朝日:働き方改革 労働者保護に焦点絞れ/米中貿易摩擦 報復の応酬は危うい
http://www.asahi.com/news/editorial.html