20180217社説から見る現代日本
おはようございます。本日は全紙で黒田日銀総裁の再任を取り上げています。
安倍内閣は、日本銀行の正副総裁の人事案を国会に示しました。黒田東彦総裁は続投。副総裁2名は交代しますが、現体制の継続といえる布陣となります。
以下、各紙社説からポイントを引用します。
日経:「日銀総裁が2期目をつとめるのは1961年に再任された山際正道氏以来、57年ぶりだ。異例の金融緩和を始めた黒田氏にその仕上げと出口も託すという意味では妥当な選択だろう。」
読売:「先代までは1期での交代が10人続いた。半世紀ぶりの長期登板は、「黒田バズーカ」と評された大胆な金融緩和でアベノミクスを支えた手腕によるのは間違いない。さらに政府は、黒田氏を交代させれば政策方針の転換と受け取られ、金融市場の動揺を招くデメリットも意識したとみられる。問題は、異次元緩和に行き詰まりの兆しが出ていることだ。」
産経:「ただ、黒田氏が就任時に「2年で2%」と宣した物価上昇率目標は、いまだ果たせていない。力強い経済が物価を押し上げる状況には至っておらず、デフレに戻る懸念もまだ残る。その結果、緩和を続けざるを得ない。それが現実であることを忘れてはなるまい。」
毎日:「「2年程度で物価上昇率2%を達成」との目標は、5年近くが経過した今も実現にほど遠い。「デフレ脱却」を政権の最優先課題に据え、アベノミクスを推進してきた安倍晋三首相だったが、脱却宣言はまだだ。一方、劇薬のような緩和政策の弊害は深刻化するばかりである。それなのに、政権は「継続」を選んだ。他国では中央銀行総裁の再任は珍しくないが、日本では1964年まで務めた山際正道氏以来という。しかも、次の任期満了時に黒田氏は、78歳の高齢となる。」
朝日:「だが、肝心のインフレ率は、マイナス圏こそ脱したものの、目標達成時期を6回も先送りした。現時点で19年度ごろとしているが、民間エコノミストの間では困難との見方が多い。日銀の基本的な任務である「物価の安定」で、2年で達成するとした目標を5年たっても実現できていない責任は重い。」
<社説一覧>
日経:再任後の黒田日銀総裁が背負う重い課題/アフリカの飛躍につなげたい
http://www.nikkei.com/news/editorial/
読売:黒田総裁再任へ 日銀緩和に問われる柔軟姿勢/フリーランス 独禁法で活躍を促進できるか
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/
産経:黒田総裁の再任案 路線継続の成果問われる/東京圏の高齢化 後回しにできない課題だ
http://www.sankei.com/column/newslist/editorial-n1.html
毎日:黒田氏続投の日銀人事案 代えられない政府の事情/参院合区解消の自民改憲案 いいとこ取りは許されぬ
https://mainichi.jp/editorial/
朝日:憲法70年 「合区」改憲、筋通らぬ/日銀の人事 「次の5年」国会で語れ
http://www.asahi.com/news/editorial.html
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