20180613社説から見る現代日本
おはようございます。
本日は全紙で史上初の米朝首脳会談を取り上げています。
会談中の両者の表情は非常に明るく、融和や対立の終焉に向けてのアピールはされていたものの、発表された共同声明は非核化に向けて具体性に乏しく進展もない内容に終わったと思います。
以下、全紙の社説からポイントを引用します。
日経:「敵対してきた米国と北朝鮮の首脳が固い握手を交わし、共同声明に署名した。それだけでも歴史的な出来事だろうが、北朝鮮の完全な非核化を実現し、朝鮮半島の緊張緩和と北東アジアの平和をもたらすには、遠く険しい道のりが控える。真に新たな歴史を刻んだとみなすのはまだ早い。」
読売:「最大の焦点の核問題について、声明は、「朝鮮半島の完全な非核化」に取り組むという金委員長の意思の確認にとどまった。非核化の時期や具体策は示されていない。米国が求める「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」への道筋は描かれなかった。首脳会談でも抽象的な合意しか生み出せなかったのは残念だ。」
産経:「共同声明にCVIDの言葉が入らなかった点について、トランプ氏は「時間がなかった」と言い訳した。交渉能力を疑われよう。むろん、会談の実現を含め、両氏が対話できる関係を構築したのは画期的だ。困難な核問題を1回の会談で解決するのも難しい。真の核放棄に向けた作業は粘り強く継続しなければならない。まずは、双方が約束した国務長官らによる協議を早急に開くことが重要である。」
毎日:「固い約束のようだが、懸念は大いに残る。米朝の共同声明は、韓国と北朝鮮の首脳会談(4月27日)に伴う「板門店宣言」に基づくもので、米国が従来求めてきた「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」には触れていない。記者会見でこの点を問われたトランプ氏は、声明をよく読めば言及していると語る一方、別の記者の同趣旨の質問には「時間がなかった」と答えた。この辺が本音だろう。核廃棄をめぐる肝心な論議を詰め切れていないことをうかがわせた。」
朝日:「その歴史的な進展に世界が注目したのは当然だったが、2人が交わした合意は画期的と言うには程遠い薄弱な内容だった。最大の焦点である非核化問題について、具体的な範囲も、工程も、時期もない。一方の北朝鮮は、体制の保証という念願の一筆を米大統領から得た。公表されていない別の合意があるのかは不明だ。署名された共同声明をみる限りでは、米国が会談を急ぐ必要があったのか大いに疑問が残る。」
<社説一覧>
日経:米朝が真に新たな歴史を刻むには
http://www.nikkei.com/news/editorial/
読売:米朝首脳会談 北の核放棄実現へ交渉続けよ
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/
産経:米朝首脳会談 不完全な合意を危惧する 真の核放棄につながるのか
http://www.sankei.com/column/newslist/editorial-n1.html
毎日:史上初の米朝首脳会談 後戻りさせない転換点に
https://mainichi.jp/editorial/
朝日:初の米朝首脳会談 非核化への重大な責任
http://www.asahi.com/news/editorial.html
※『社説から見る現代日本』マガジンhttps://note.mu/1minute_history/m/m70d97edb0376
※『1日1分歴史小話』マガジンhttps://note.mu/1minute_history/m/m7db9a358d26a