20171030社説から見る現代日本
おはようございます。
本日も各紙バラバラの社説展開となっており、どの社説も一読の価値があります。
その中であえてのオススメは産経の「デンソー勝訴 実体を見極め適正課税を」です。
タックスヘイブン(租税回避地)対策税制を巡っての訴訟です。
日本よりも実効税率が低い国に所得を不当に移転することを防止する税制ですが、その運用・判断については不明確な部分もあり、企業と国税当局の間で訴訟に発展することがあります。
今回のデンソーの事例でも一審はデンソー勝訴、二審デンソー敗訴、最高裁でデンソー逆転勝訴ということになっています。
判決の具体的な内容自体に踏み込むことよりも、適正課税を維持するためには、国税当局による丁寧な説明は必要だと考えています。
その上で、企業による不当な課税逃れを許さない体制構築が欠かせません。
以下産経社説からの引用です。
「対策税制(筆者注:タックスヘイブン(租税回避地)対策税制)は、企業が税率の低い海外に所得を移す不当な税逃れを防ぐ仕組みだ。課税対象は事業実体がない場合などとされ、最高裁は「事業の判断は収入や人員、店舗などを総合して考慮すべきだ」と新たな基準を示した。
(中略)
国税庁は、海外子会社との取引などをめぐる課税に対し、企業から税務相談を受け付けるなどの対策に乗り出している。対策税制などの仕組みは複雑なため、産業界に「分かりにくい」との批判が根強いからだ。適正な課税のためにも、丁寧な説明は必要だ。
一方で、タックスヘイブンを舞台に一部の多国籍企業などが不当に課税を逃れていることへの対応も急務である。各国の税務当局が連携し、国際的な監視網を構築しなければならない。」
<社説一覧>
日経:介護報酬引き下げで制度の持続性高めよ/夜の観光消費を伸ばそう
http://www.nikkei.com/news/editorial/
読売:米国VSユネスコ 問われる国際機関の中立性/重力波観測 重力波観測 「かぐら」の活躍を早く見たい
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/
産経:デンソー勝訴 実体を見極め適正課税を/児童ポルノ 好奇の目に子供さらすな
http://www.sankei.com/column/newslist/editorial-n1.html
毎日:朴裕河教授に逆転有罪 学問の自由を侵す判断だ/建設石綿訴訟で原告勝訴 救済の制度作りを早急に
https://mainichi.jp/editorial/
朝日:規制委5年 対話通じて安全高めよ/シリア内戦 「IS後」へ国際仲介を
http://www.asahi.com/news/editorial.html