「世界は教科でできていない」
私は数学がずっと苦手でした。
今は教育の研究をしています。
文系ですが、「統計」が関わるので、数学も理解する必要があります。
先日は、「平方根」を活用してある数値を便宜的に設定する方法を目にしました。
なぜ平方根が使われるのか、その仕組みを研究者として理解しておく必要があります。
さっそくネット検索。
平方根の「解き方」は大量に出ます。
しかし驚いたことに、
「平方根はなぜ平方根なのか」
「どのような原理なのか」
「実用性」
「根本的な意味」
はなかなか出てきません。
(私の検索の仕方もあると思いますが…)
困って、高校の数学の先生に聞いてみました。
原理までは分かりませんでしたが、
「面積の計算で平方根が使われる」
というようなことを知ることができました。
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現在の日本の学校教育システムは、
カリキュラム論としては
「教科カリキュラム」
に分類されます。
国語、算数、理科、社会…
というやつです。
ただ詳細に見ると、日本は教科カリキュラムの体裁を取っていながらも
「融合カリキュラム」
というスタイルと言えます。
(私はカリキュラム論の専門でなく、この程度の知識しかありません…)
ただ、リアルな世界、私たちの日常生活は教科ごとに分けられていません。
学校で、集団で勉強するために都合がよいから「教科」を使っているだけです。
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以前、オランダのイエナプラン校を視察に行きました。
あるオランダの先生が、
「世界は教科でできていない」
と言っていたのが印象的です。
日本の教育システムは、
世界の中ではかなりいい方だと私は考えます。
しかし、「平方根」でも何でも、
もっと興味を持って勉強するための方法を考える必要があると思っています。
具体的には、
「探究の概念化」
(例えば、総合的な学習の時間 のやりかた を、全部の教科で自然にやる)
「そのための時数確保」
(探究や、生徒が興味を持って進めるためには、教師主導でなく、生徒が計画を立て実行する必要がある)
あたりなのかと考えます。
そうなると結局、
「お金の問題」(教職員数など)
「政治の問題」(学習指導要領や評価の改訂)
も入ってくる…。