作ったゲームと、一人のキャラクターについての話
イクスクエストというイベントが6月にありました。今回はその記念に、私なりのレポートを出します。
ファイブレインというアニメがありまして、その中にリンクスライダーというゲームがあります。真っ直ぐ滑って、真ん中に止まれば勝ち。
私はこれがたいへん好きで、時間が出来たときに友達に仕掛けたりしてきました。ただ、実力が拮抗するとずーっと勝負がつかないという点は気になっていました。作中では、メンタルがやられた主人公が回復する時間を稼げましたが、実際遊ぶにはもう少し決着をつけやすくしたいと思っていました。そこで、前から作っていた玉転がし迷路のアイデアを合体させ、壁を置いて迷路を作っていくルールが完成しました。
玉転がし迷路を作るにあたって、楽しく遊ぶにはどう壁を配置したらいいかを考えていましたが、それをこのゲームでは遊ぶ側がやります。続けていくと、対局によって全く異なる盤面が生まれていきます。
開発段階で、駒を動かすのとフィールドを操るのを両方できるルールにしたいと思っていました。これは、作中のまた別なゲームから来ています。
パネルをスライドさせて電車を進め、新しいパネルを挿入してフィールドを変える。主人公の先輩が作った、主人公と全力で戦うためのパズルです。パズルを作るのが得意な自身、解くのが得意な主人公、どちらも楽しめるルールになっています。
作中人物がパズルをする理由は「究極の頭脳を求めている」からで、その目的とパズルへの想いをぶつけています。解くパズルに悪意が込められて傷ついたり、逆に相手を傷つけてしまってパズルが嫌いになることも。このSJはその中で、何よりも「楽しむ」ためのパズルだと思っています。
作者の軸川ソウジ先輩はパズルを解く側としての夢がありましたが、道半ばで作る側に切り替えています。彼が夢抜きでパズルを好きだったかどうかですが、所属する組織の腐敗や真の天才への嫉妬などまで見ると危ないところもあったかも(その道に進んでしまったキャラもいます)。しかし、作ったこのゲームが「どんな人も考えた分だけ楽しくなる素敵なパズル」であることを主人公に看破されます。普段は態度で隠していますが、純粋な先輩でした。
パズル監修の郷内邦義先生の真意は分かりませんが、軸川ソウジの思いは読み解けたんじゃないかなと思っています。他のキャラも読み解くほどに、郷内先生へと近づけると信じていますので、そのときはまたレポートを出します。遅くなりましたが、イクスクエストで関わった皆様、ありがとうございました。