キティちゃん50周年おめでとう! ~私の初キティちゃんは全然可愛いものではなかった
このキティちゃんの腕時計(ベルトはありません)、実はニ代目なんです。行方不明になった初代を忘れられず、同じものを入手し大切にしてきました。
秒針の蝶々がくるりと回って一瞬チューリップにとまるように見えます。幼い頃、その瞬間を楽しみに、長い時間ワクワクと目で追っていました。
今年はキティちゃん50周年のアニバーサリーイヤー。
あの時はありがとうの気持ちを込めて、決して可愛くないキティちゃんとの思い出を書こうと思います。
歯医者で恐怖のあまり地蔵と化した私がすがったキティちゃんの腕時計
ネットを使い始めて程なく私はずっと知りたかったこれを検索した。
「歯医者 怖い 大人」
実は、私は幼い頃に歯医者さんでとても怖い体験をしたので、恥ずかしながら今でもちょっと歯医者さんが怖い。トラウマを負ってしまったのだ。
しかしそれは、あの「キュイーン」という音でも、歯科医が頭に付けてたCDみたいなアレや白衣でも、単純に「痛かった」というものでもない。
*
幼稚園の頃、お友達の虫歯治療に付き合ったことがあった。
おそらく「ここ、いいわよ」みたいな大人同士の会話があって、母と私は見学に行ったんじゃないかと思う。
その歯科医院の手前には古い時計屋さんがあって、私はガラスの向こう側に飾ってある可愛い腕時計に目が釘付けになった。
両手を木枠に引っ掛けて背伸びをしながら「わぁ~」って……目をキラキラさせていたんじゃないかな、黄色い腕時計がとても明るく想起される。
……はっきりと覚えているのは、悲しいかなトラウマと結びついているせいで、これまで私は数え切れないほどこの時のことを思い出してきた。
歯科医院は重たくて分厚い扉。
大人たちは目を離していた。その時、お友達はその重たい扉に手を挟まれて……
それは一瞬の出来事だったのかも知れない。だけど、私にはこの時のことがスローモーションで思い出される。
大人たちの慌てた様子、泣き声、凹んで変色した指……
恐怖。私は歯科医院の入り口で地蔵のように固まった。
少しして「大丈夫そう」ということになったのだろう、予定通りお友達は治療に。
聞こえてくるのはお友達の泣き叫ぶ声。私はずっと地蔵。
「あぁぁーーーん あぁぁーーーん」
泣きながら出てきたお友達。
地獄。私は踏んだり蹴ったりでボロボロのお友達を見ていて歯医者さんがすっかり怖くなってしまったのだ。
帰り道、待っていたのは時計屋さんの可愛い腕時計。
私はすがるように木枠に手を掛け、
「ほしいぃぃーほしいぃぃー」
と泣いて泣いて……家に帰ってからもそんな調子で、根負けした父にようやく買ってもらったのだ。
「キティちゃんの黄色い腕時計」
親はなぜそんなに欲しがったのか分からなかったと思う。あれほど物を欲しがったのは後にも先にもあの一度きり。
歯医者さんでの恐怖体験と可愛い腕時計が結びついているのは、何か心の中で特別な働きがあったせいだろう。
たぶん、幼い私は小さな胸の中でキティちゃんと一緒にあの恐怖と闘っていたのだと思う。
ありがとうね、キティちゃん。
ハローキティ 50周年
キティちゃん
11月1日に50歳を迎えたとのこと。
おめでとうございます🌷✨
本名:キティ・ホワイト
身長はりんご5個分
体重はりんご3個分
明るくてやさしい女のコ
可愛い💓
……私の身長体重をリンゴに例えるとどんなになるんだろ??
全然可愛くないや。