賃貸物件ガチャ隣人ガチャ
賃貸物件で暮らし始めて20年以上過ぎた。どこも集合住宅で大なり小なり、同じ建物に住んでいる隣人には悩まされてきた。
1部屋目
初めに借りた部屋はワンフロアに3部屋で角部屋だった。六畳一間の1Kで家賃は5万円。一階には飲食店。恐怖の3点ユニットに深夜電気温水器で電気代が結構かかっていた。真冬は西側の窓の結露が凍りつく寒さ。夏は隙間から颯爽とGが侵入してくる。隣の部屋の住人はコロコロと代わり、大学が近いのか大学生と外国人が多く日本に住んでいるにもかかわらずアウェイな感覚で暮らしていた。
一時期中国人カップルが住んでいた様で、夜の10時すぎにケンカがオッパじまる。色々あったけど一階下に住んでいる婆さんはなかなか強烈な存在だった。たまに顔を合わせば息子の自慢話を聞かされた。1人は公務員で高給取り、もう1人はNHKに勤めてるだの何度も聞かされた。婆さんは2階に住んでいたが、たびたび3階以上へ上がって行った。本人曰く「上階の10人に2,000円借りに行く」とのことだった。ワイもある日千円貸してくれと言うので素直なワイは貸した。倍にして返すと言って返してはくれなかった。ワイが入居した頃は気が付かなかったが、ある日1階へ降りる階段が尿くさいのだ。野良猫でもシーしてったのかなと想像してたら違った。婆さんは足が悪かった。たまに階段で休んでいた。数日後買い物から帰ってきたらおばあちゃんが一階への階段を後ろ向きの姿勢でゆっくり降りていたのだ。赤ちゃんのつかまり立ちを後ろから見ている画像を想像して欲しい。ズボンの尻部分にシミが見えた。「あっ!漏らしてる!!」猫のシーではなく婆さんが漏らしてるのに気がつかず階段で休憩していたので、それが階段について臭っていたのだ。うんざりしたが、それを上回る出来事が起きた。夜な夜な婆さんの部屋のテレビから大音量が流れてて寝不足に陥った。しっかり痴呆が始まっている。一階の飲食店の店員さんに話したら大家さんに話をしてくれたみたいで後日婆さんそっくりの面構えの巨漢の女性が両手に紙おむつを下げて悲壮な表情を浮かべてアパートを訪ねていくのを見かけて自慢の息子は何してるんだろうと首をかしげた。
2部屋目
駅前の古い公団に住み移った。古いながらも管理も掃除も行き届いており、寝る所と食事する場所が分けることができ、前の部屋より格段に広くなって快適なはずだったが、朝6時過ぎに窓から外にたかってる鳩に餌をやる老人男性がおり、再三張り紙もされているのに遠慮なく餌まきをしていた。ほぼこの音で起こされていた。11時出勤だからもう少し寝たいのに…。ここまで読まれてお気づきの方はいらっしゃいますでしょうか?また婆さんに悩まされることになるのです。
詳細は下記をどうぞ。気が向いたらで結構です。
ちな婆さんにプロフ 80代・独身婚姻無し・子無し・元郵政・入院歴有・パソコンできない・長女姉妹あり・気が強い
3部屋目
4部屋目
わずか1ヶ月で民間賃貸からURの別の地域の物件に舞い戻るワイ。家賃が10万円近くする物件に住むことになった。事故物件なので1年間だけ半額なのだが…。元職場が近くて土地勘はあったものの、通うのと住んでみるのは大違いだった。ちなみに階数は3階。1部屋目のアパートも3階だった。知ってた?3階って意外と下からの音が上に上がってくるからうるさいんだよ。
今回のお部屋のメリットは
・寝る所と食べる所が別
・広い!
・ベランダが南側で冬暖かい
・不要だけどウォシュレットと浴室乾燥機がついている
デメリットは
・南向きなので陽が登ると夏が暑い
・北側の部屋は冬は死ぬほど寒いし門灯が明るくて中年にはきつい
・坂のアップダウンが多いので買い出しが大変
・集合住宅あるあるが起きる
・ベランダが道路側で、すぐ十字路信号機ありで車の音が気になる
さて、ここまで読まれてお気づきの方はいらっしゃいますでしょうか?婆さんに悩まされるのではなく今度は爺さんに悩まされるのです。
爺さんのプロフ 90代・妻死別・実子60代と同居・足悪い・耳が遠い・頭はハッキリしてる
朝5時過ぎ、隣の部屋から話し声が聞こえる。相当壁が厚いにも関わらずボソボソと聞こえる。爺さんは耳が遠いので、本人も声がデカいがそれに合わせて同居実子も声がデカくなっていると推察する。これはAMラジオに混じって聞こえる北京放送程度なので良いのです。が、実子が6時半過ぎに出勤すると暇なのか朝7時過ぎには共用の廊下に出ると階下の道路に登校の為集まる児童らに「おはよう!」「いってらっしゃい!」をクソデカボイスで繰り返す。なんならURの雇われ清掃員にも挨拶しまくる。ゴミ収集車がゴミを回収後にゴミが出されていたら清掃員にゴミを片せと指示を出す始末。ベランダからでも道路に同じフロアの人が歩いていたら積極的に挨拶をする。近所中に響く爺さんのバリトンボイス。
アンニュイな昼下がりに親子の口喧嘩が起きる。子の方が一方的に怒鳴ってて怖かった。爺さんは気が優しいんだよ…。ワイの実家なら親父がワイをぶん殴るか怒鳴りつけると思う。
我が家に来た佐川が部屋の前で昼寝してたワイを呼び出そうとワイの携帯に掛けていた所、爺さんが通りがかって「いないよ!いない!」と追い返された事もあった。町内を仕切る世話焼き爺さんを思い浮かべた。思い浮かべたが実家の周辺にも元住んでた賃貸周辺もそう言ったたぐいの老人はいなかった。初体験すぎる。
ちらっとベランダ覗いたら大量のガラクタが置いてあった。園芸が趣味らしく土とか植物の鉢とかあるのは良いとして、使い古した食器用スポンジが6個くらいつくねてあったのは絶句した。外にガラクタが出ていると言うことは経験上、部屋の中はガラクタだらけです。
廊下で出会うものなら話が長い。毎回会うたびに「(何か困っていることがあるのなら)話くらいは聞きます」とセットで「隣の部屋に人が住んでいないと寂しいじゃんねぇ」と仰る。隣人ガチャ負け続けている自分としては毎回お会いするたびに色んな経験を背負っている上に爺さんは人が良さそうなので無下にもできず良心も痛んで辛い。
フロアに住んでいる住人の構成やなんか聞いてもいないのに教えてくれる。爺さんは爺さんの隣の部屋を指差しながら「男性が住んでいて結婚するって無くなったんだよね笑笑」
ワイはドン引きした。そんなデリケートな個人情報を馬鹿にしながら笑いながら赤の他人に流すなんてどうかしてる。全然笑えない。ワイはどこどこから引っ越して来たとか聞かれていないので個人情報は一切お話ししてないけど、この調子じゃワイの事も話されてしまう。この間は「最近会わないねぇ」と言われた。そうです、会わない様に時間の調整しているからです。会うたびに同じ話を聞いたり適度に相槌を打ったり気を使うのはもう嫌です。「話くらい聞くから(略)何曜日と何曜日は出かけてるけどそれ以外は家にいるから。」などと具体的に教えてくださる。これって親切心と受け取っていいのだろうか?老人といえ男性だ。流石に少し警戒した。逆に私がものすごく悪い人間だったらどうするのだろう?自分が騙されたり傷付けられたりしないか考えないのだろうか?ちょっと平和ボケ過ぎやしませんかね?
外出も自力ではままならないし、行動範囲が狭くなって爺さんは平日ひとりぼっちで寂しいんだと思う。
3人のサンプルしか見てないけど、明日は我が身だ自分の老後が怖い。孤独を拗らせている老人の共通点はパソコンを使ったりインターネットを使用したりして調べ物が出来ない。絶対にインターネットだけは辞めない。これが無くなったら誰ともコミュ取れなくなって間違いなく全身を強く打って即死すると思う。人に迷惑をかけない生き方をしないといけない。
爺さんの話の追記2023.11.26
買い物帰りに会いたく無いけど、爺さんが廊下に佇んでいるので挨拶をしたら、爺さんの話が長くて人ズラのいいワイは逃げるタイミングを失っていた。
せっかくなので少し踏み込んだ質問を爺さんにした。
爺さんは仙台出身。出身地を聞いたら「驚くと思うけど!」って前のめりの態度の前ふりがあったが、そんなに驚かなかった。すまんな。
爺さんが耳が悪いのは承知済み。引っ越し当初に挨拶しても「はぁ?」って何回も聞き返されるの苦痛だった。年齢聞いたら90歳なので、仕方ないなとこちらも歩み寄って声を張るようにしたら多少は意思疎通も取れる様になったわよ。
仕事は原発関連で一時期は浜岡にいたらしい。
子供は娘と息子の二人。娘と二人暮らし。大阪出身の妻は6年前に没。息子は大阪へ。名古屋に住んでいる娘さんが爺さんと母親を向かい入れ暮らしていたらしい。
自分の母親が補聴器つけた事を伝えると「私も補聴器あるんだけどつけるのが面倒で。娘にはつけてくれないと私が大声になって喧嘩しているみたいに聞こえるって言われてるんだけどね。」つけろや。
その日は一駅向こうの山の公園のふもとにあるスーパーの帰りだったので、その話をしかけたら「(場所も地名も)わからないんだけど」と話を遮られた。前に話くらい聞くってうそやん。
ワイは休日なので山の公園にはたくさんの親子連れで賑わっていましたよと話題を振ろうとしただけや…。
今回、爺さんの意識の中がどうなってるのか知らないが結果的には嘘であり、実子の年齢もあやふやだったのだ。常に60過ぎていると吹聴していたのだが「59とかですか?」詳しく突っ込んだら態度がモニョっておかしかったので再度尋ねると黙って話をはぐらかしやがった。この人、自分に甘い…。かっこつけなのに面倒くさがり。補聴器つけてくれや。
そして何度も同じ事を話す。同じフロアのインド人家族の話。ワイの部屋の前に住んでた住人の話。爺さんの隣の部屋の男性の結婚が破談になった話。この3点セットはどうしても聞かされる。男性の結婚が破談になった話がどうも鉄板らしく唯一他人にマウントを取れると認識しているらしい。
婆さんの時もそうだったが、以前住んでた知らん奴の経歴の話をして自分この部屋に長く住んでますマウティングうざい。別にこちらは見下してもいないのに、意味わからん。
昨日、娘さんの「どうして私が掃除しなきゃなんないのよ!!!!」絶叫しながら掃除機の床用ノズルをゴンゴンと当てながら荒々しくお掃除する騒音と共に爺さんの弱々しい「かなんなぁ。6年前に妻に先立たれた…(聞き取れなかった」言い訳が聞こえてきた。
ここで、賢い読者の皆さんはURってそんな壁薄いんかーい?って疑問の一つも芽生えましたでしょうか。普通です。が、ベランダ側の部屋で口論?が始まったので野次馬のワイはわざわざベランダに出て話を少し立ち聞きしておりました。
1年間爺さんから聞いた話をまとめての推測ではありますが、どうやら爺さんは身の回りの世話は妻に任せていたようで、衣替えすら出来ないようなのだ。ので普段は会社勤めの娘さんが日々の買い物やなんかしているようなので、娘さんの負担も重いだろうなと。
自分も実家に帰りたく無いのは父親と馬が合わないので、一人暮らししておりますのンで、娘さんの気持ちもよくわかる。けど、もう少し優しくしてやってよと思うのと、掃除ごときで揉めるのならルンバ召喚せよと思ったのだ。
あの池袋の交通事故を起こした老人の動画でも想像してほしい。あんな調子なので、一般的な掃除機をかける動作なんて到底無理ゲーなのである。90歳、一年前にお会いした時より確実に弱り始めている。週2回のリハビリも焼け石に水状態のロウリュと察する。頭は結構はっきりしてるけど、自宅で転倒したら次は施設入りだなとか、自分も両親のどちらか倒れたら明日は我が身だと感じている。