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トロント旅行記 その1 初めての英語バスツアー
2017年の8月のお盆休み、僕はカナダのトロントに足を運んだ。
大学時代から本格的に英語を勉強してきて、日本の英語学校などでカナダ人と関わる機会はあったのだが、なぜか30代になってもカナダに行く機会は無かった。
今考えると、サービス業の仕事をしていたので中々まとまった休みが取れなかったのも原因の一つだったのだが。
そんな訳で、「いつかは行けたら」と思っていた2017年、僕は夏休みを利用してカナダのトロントへ行くことができた。
中国やイタリア、韓国などのエスニックコミニュティに行ったり、ロジャースセンターに行ってメジャーリーグも見に行った。
これが初めての球場でのメジャーリーグ観戦だったので、とても感慨深かった。試合前にアメリカ国歌とカナダ国歌を聞いた時は、少し眼が潤んでしまった。
このメジャーリーグ観戦も良い思い出だが、それ以上に思い出深かったのが、ナイアガラの滝へのバスツアーである。
宿泊していたホテルで偶然見つけたパンフレットを見て予約したのだが、全編英語で、しかも日本人は僕だけというなんとも刺激的なツアーだった。
しかも訪れたのはナイアガラの滝だけでなく、面白い場所にも連れて行ってもらって、忘れることのできない思い出となった。
今回は、そんなカナダトロントで経験したナイアガラ観光バスツアーの思い出を書いていく。
バスツアーの価格
どうしてこのバスツアーを選んだのかという理由は、特には無い。
ただなんとなく、1日で50ドルという価格で、グレイハウンドの高速バスで足を運ぶより安いじゃないか!と思っただけである。
元々ナイアガラの滝に行こうと決めていた僕は、当初グレイハウンドのバスに乗ってナイアガラの街に行こうと決めていた。
しかし、到着するバスターミナルがナイアガラの滝から離れている事が判明して、ちょっと面倒臭いなーと思っていた矢先に、偶然宿泊していたホテルでこのツアーを知る事になる。
しかもこのツアー、滝の近くまで寄ってくれるという触れ込みだったのでラッキーだなと思い、そのままホテルを通じ予約した。
このように、本当に軽い気持ちで参加したのである。
50ドルという価格は、自分の中ではかなり妥当な金額であると思っている。
なぜなら、日本語のツアーになると確実に100ドル以上はかかると予感していたからだ。
こういう時、本当に英語学習を継続してきてよかったと思う。
ツアーに出発
そして迎えたツアー当日。
期待と不安の中、朝7時に起床。
ホテルの前で、迎えの車を待っていたら、1台のワゴン車が到着した。
ドライバーが、この車に乗れと言ってくる。
ツアーには僕以外にも、イギリスやアイルランドからやってきた同じホテルに宿泊している女の子達も参加。
彼女達と車に乗り、ホテルを後にした。
しばらく走ると、車はある高級ホテルの前で停車。
ドライバーから、車を降りてくれと告げられる。
「なんだ、この車じゃないのか!」
そう思いながら車を降りると、ホテルの前に大きなバスが停まっていた。
ドライバーはこのバスを指差し、
「あれが今回のツアーで移動するバスだよ」
と説明。
そう、あのワゴン車はツアーのスタート地点に連れていくための車であり、このホテルはツアーのスタート地点だったのだ。
少し困惑しながらバスに乗ると、すでに出発を待つ人が数人バスに乗っていた。
乗客の国籍は実に多彩で、インド人やイスラムのスカーフを纏った女性もいて、グローバルシティトロントを象徴するような風景だった。
ちなみに、日本人は自分だけだった。
「まあそうだよな」
そんな風に思っていると、バスのドライバーがやってきてバスが出発。
到着までゆっくり寝ようと思っていたら、突然ドライバーがマイクを使って喋り始めた。
「Welcome to the tour !!」
ドライバーは軽快に、ハイテンションで喋り始める。
かなりうるさい声だったので、僕の睡眠の機会は妨げられた。
ナイアガラの滝までは車で約2時間。
朝早く起きたので、到着まで眠っていたかったのだが、そんなことはお構い無しとばかりにドライバーは喋り続ける。
仕方なく彼の喋っているセリフを聞いていたが、不思議なことに何を言っているのかが大体聞き取れた。
自慢ではないが、こちらは15年間も英語を勉強してきたのだから、理解できるのは当然といえば当然なのだが。
出発後、トロントのダウンタウンをバスが走っている間、ドライバーはトロントの街の基本情報を説明していた。
「トロントは数年後、アメリカのシカゴを人口で追い抜く」
というのがはっきりと聞きとることができた。
やがてバスは高速道に入って、トロントのダウンタウンを後にする。
そしてバスはミシサガというトロントの隣町を通過。
ドライバーはこの時、この街の元市長であるHazel McCallionという女性について語り始めた。
彼女1978年から2014年までの26年間市長を努めた人で、何と勇退した時は御年93歳だったというのだ!
彼女は57歳から93歳までの間、市長として街の為に働き続けたという。
ナイアガラに到着するまで、色々なことを休まずドライバーは喋り続けていたが、この市長の話はあれから5年経つが忘れることの無い話である。
高齢者の政治家が多い日本でも、まずそんな前例は聞いたことが無い。
そして驚くことに、2022年の今でも彼女は健在なのだ!
60歳から93歳まで、どうして市長の仕事を務めるだけのモチベーションがあったのか?
僕は今でも凄く気になっている。
間違い無く、カナダに来て一番印象に残ったエピソードだ。
バスは順調に高速道路を走り、その間ドライバーは休むことなく独演会を続けていた(笑)
そして気がついたら、バスはオンタリオ湖の反対側に辿り着き高速を降り、バスはナイアガラの滝の方へと向かっていった。
次回は、ナイアガラの滝を散策した時の思い出を書いていこう。