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【🍓】伊予の湯桁

伊予の湯桁
よみ: いよ の ゆげた
本: 河出文庫 源氏物語1 106ページ(空蟬)
意味: 『数が多いことのたとえ』

上記の意味は忘れもしない、高校の国語便覧だか教科書だかに書いてあった注釈なのだ。

なぜ伊予?そして湯桁とは何?
まさか伊代?そして歳なら伊代はまだ16だょ? と授業中みんなでちゃちゃをいれたのだよね。(その伊代ちゃんも多分今は56歳くらい。Time flies.)

伊予の湯桁

 古代前期から伊予の湯は、『古事記』『日本書紀』『伊予国風土記(逸文)』『万葉集』などにとりあげられて、神話、物語、和歌などの素材としてつとに都の人々にもなじみの深い名湯であった。ここに、平安時代には成立していたと思われる伊予の湯の民謡がある。

https://www.i-manabi.jp/system/regionals/regionals/ecode:2/52/view/6831
『えひめの記憶』 愛媛県生涯学習センター




『校本芭蕉全集 第三巻』の注に、

 「伊予の湯の湯桁の数は左八つ右は九つ中は十六」(花鳥余情所引六花集)

とある。『花鳥余情』はウィキペディアに「一条兼良による『源氏物語』の注釈書である。」とある。文明四年(一四七二年)成立とされている。『六花集』からの引用として記されているが、『六花集』は現存が確認されていない。

https://suzuroyasyoko.jimdofree.com/%E5%8F%A4%E5%85%B8%E6%96%87%E5%AD%A6%E9%96%A2%E4%BF%82/%E8%95%89%E9%96%80%E4%BF%B3%E8%AB%A7%E9%9B%86-%E4%B8%8A/%E9%A0%88%E7%A3%A8%E3%81%9E%E7%A7%8B-%E3%81%AE%E5%B7%BB/

鈴呂屋書庫

そう、源氏物語は超壮大な「ミュージカル」なのだ。作者もそうだが登場人物たちもすぐ歌う。そしてどの歌もシチュエーションに合わせた別の名歌の引用だったり、今贈られた歌を踏まえた返歌だったり。往時の読者たちは「この話の流れで詠まれる歌はきっと〇〇ー」とか「〇〇と思ったらそう来たか」とわくわくしながら読めたのだろう。そして今回のように「伊予の湯桁の数」の文字を目にした瞬間に「伊代はまだ16だからー♪」と唱和できた昭和の高校生のように、往時の読者たちは「左八つ右は九つ中は十六!」なるほどな!とニヤリとしたに違いない。暑くて胸もとがあらわというあたりから(湯桁を数える時にはきっともっとムフフ…♡)という想像をかき立てさせる伏線だったりもするのかもしれない。
いゃー、源氏物語、深い。

追記: 伊予の湯桁、と言いたかったから伊予介という設定にした。ということもあり得る? と思いついたのだけれどそのためには執筆された時代の官職の決まり方や石高(というのか何なのかわからないけど)についても知る必要がでてきますね。うーむ。

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