神無月
10月、神無月に貴女は僕の元から居なくなる。罪なものだな僕は、貴女に恋するなんて。
ああ、わかってるって人間の僕なんかが貴女になんて禁忌だよな
9月の終わりに貴女は僕に「必ず帰ってくるから心配しないで」と言い残し僕の元を去っていく。
わかってる、ちゃんと戻ってくるって
わかってる、嘘じゃないって
でも、心のどこかに穴が出来るんだ。
埋まらない心の穴、不安定な僕の心
なんでこんな気持ちになるんだろう。
信じてる、信じてるのに
大丈夫とわかってるのに不安になるんだ。
貴女と出逢った神社に行けど当然貴女は居ない、居ないとわかってるのに行きたくなる
バカだな僕は。
貴女と一緒に居られる時間は短いものだな
いずれ僕の体は死ぬ、でも貴女は死なない
「死んだら貴女と一緒に居られる?」と呟く僕に貴女は「どうだろうね?」と微笑みながら答える。
まだ10月は始まったばかりなのに
僕は本当弱いな。
早く貴女に逢いたいと日々想う神無月でした。
ー次回「神有月」へ続くー