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潮騒
音楽にしろ、漫画にしろ、それを深く知りたいとなった時に、受け取る側としては、最新のものを追う、というのと、古い名作に触れる、という2方向の深め方があると思う。
新しいものばかり追うのは、なんだか深みがないように感じるし、古いものばかり掘り進めるのは、懐古主義のような気がする。
だからバランスが大切なのだと思うが、結局、その時の自分の好みで、同じものばかり嗜んでいたりもする。
小説もそういう性質がある。新しいもの、古いもの、読んでいく中で、三島由紀夫の作品をいくつか読んだ。
本屋さんで見る三島由紀夫を紹介するポップには、美しき文体とか書いていて、それにはピンと来ないのだけど、金閣寺に代表される作品を読めば、登場人物、皆考えすぎだろと思うほどに内面の描写があり、それらがたまらなく面白かった。
そんな中で、潮騒を読んだ時、全く違う作品だという印象があった。
潮騒は、金閣寺などと並ぶ三島由紀夫の有名な作品だと思う。
ただ、三島由紀夫の様々な作品に通じる、人間の内面のややこしさ、込み入った感情などが、潮騒ではあまり感じられず、ただただ美しい。美しく、さわやかな作品だ。
専門的な知識は何もないので、読書感想文として、潮騒は美しく、素晴らしい物語だと思う。読み直そうかなぁ。