見出し画像

きらめく街への冒険譚②

天空の城

ジブリ作品で一番好きなのはラピュタです。ここは天空ではありませんが、結構高いところみたいです。残念ですが、雨のため見通しが悪いですねぇ。晴れていればまるで人がゴm....


ハッ!


いかんいかん。
魔王城への潜入を試みたのだった。
引き続き報告書を書かなければ。

恐ろしく高く聳え立つ城
そこは全体的になんというか

黒かった。

田舎者の感想なんてそんなものだ。
派手な装飾は一切なく、扉は全て
壁と同化しているかのようで
侵入者を阻んでいるかのよう。

デザインセンスも高レベルすぎると
理解に苦しむ。

上階に進むべく、箱に乗り込んだが
ボタンが2つしかない。
「試されている....」
1人きりの空間で緊張が走る。
こういう時は慌ててはいけない。
私ほどの冒険者ともなると
1つのミスが命取りになることを
よく知っている。

天国と地獄
この障壁をクリアできなければ
冒険者などと2度と口にできない。
勘を頼りにするなど愚の骨頂。
雪国一の命知らずと謳われた私は

迷わず


一回、


出た。



冷静になれ。
私の中の勇者が語りかける。

ここは歴戦の冒険者たちを頼るべきだ。
孤軍奮闘など、所詮奮闘に過ぎない。
勝利とは、栄光とは、
「だけど頑張った」
では決して得られないのだ。


冒険者ギルドに掲示した(?)ことで
力強い助言を得ることができた。
何というか強運!
私のような傲慢で怠惰の塊のような
嘘くさい男に、まるで女神のような
めが、、め、、?

天啓

魔法使いが言うのだから間違いない。

耳がッ

私を乗せた箱は急速に上昇を始めた。
「クッッ直接脳内に、だ、と!?」
キィィィンとした。恐ろしい攻撃だ。
だがしかし私は負けない。
目的地に辿り着くまで
決して折れないっ!

「ッスーッ」

フロアに到着するや否や
目の前に何者かが現れた。
「お待ちしておりました」
男は気配を消して近づいてきた。

狼狽えてはいけない、
怪しまれないように
落ち着いて言葉を返す。

ニコッ「ありがとう」

今考えれば何が「ありがとう」なのかわからないが、思わず口から出てしまっていた。一瞬でも気が抜けない。ヤル前にやる。ん?どっちみち有利、ヤラレる前にヤル!だッ。

私の侵入を予見していたと言うのか
数メートル間隔で従者が待ち構えている。
寄り道は許されないと言うのか
本殿へ誘導されているッッ

私は少しでも情報を得ようと
男に話しかける。すると男はこう言った。
「私もいくつもの城のオープンに携わってきましたが、ここは別格ですね。調度品はもちろん,細部に至るまでが本当に手の込んだ上質のものを使用して…」謙遜をしないところが外国の要人を相手にしていることを表している。ここまで洗脳されているとは恐るべし。


メインで接客するものと、それをところどころで指示を出している男たち。見た目がまず異なっている。指示出しの男たちは制服ではなく、ノーネクタイにジャケット、パンツ。あえてのカジュアルスタイル。思い思いのカラーや素材でセンスの高さをお互いに誇示しているのか、逆にダサい。給仕役を呼び止めて会場の隅であれこれ指導する姿もダサい。上に諂い下に厳しい、どんなに笑顔で対応してこようと、裏が透けて見えるようでは3流と言わざるを得ない。

ケーキ美味しかったよ

どれもこれもがハイレベル過ぎると、一般人には逆に見えてしまうという、新しい発見があった今回の潜入。隠し撮り程度しか成果を持って帰れなかったが、思わぬ女神からの助言や、ドレスアップした彼女の姿が見れて大満足となった。

ええ?オチなどないのだよ。
もちろん泊まるのは別のホテル、宿だ。

中々良い宿で、普段なら選ばないような
ちょっと安くない宿。

だけど、やっぱり、ちょっとだけ、
さっきと比べると、、、ねぇ。
ダメだね人間ってやつは。
すぐ比べたがるんだから。

早く感覚を戻さなければ
いつもの1000円以下の
ランチレポが私の主戦場なのだから

いいなと思ったら応援しよう!