告白雨雲 (ショートショート)

好きだぁ
好きだあぁ
ざああああ

この夕暮れ、外から聞こえる。眠いのを我慢して部屋のベランダに出ると大雨だ。雨音に声が混じる。どう聞いても上から降ってくる。まさかあの黒い雨雲が?

夢ちん、すきだぁ

あっ、私の名前?うそ?

うそではないいぃ、好きだぁ
ざあああああああああああぁ


私は急いで空に向かって吠える。
「あなた、誰よおおぉ」

ざああああああああああああぁ

「答えなさいよぉ」

いきなり告白すると怖いだろうがぁ、この雨雲が代行ビジネスをはじめて頼まれたンやああぁ

「誰から頼まれたのよぉ」

バリーン

ドーン

バリバリバリ


目の前に小さな星が飛んできて固まり一人の男がもやもやと出現した。彼は俯き小さな声で言う。ぼく霧ですぅ、以前から夢ちんのことが…

私は秘術霧払いを使って彼を吹き飛ばし雨雲に怒る。
「こういうのやめて。これから眠るのに」
雨雲はおわびにと、ひつじを一頭ずつ私に向かって降らせた。それを眺め私は就寝に入る。今夜もこれから仕事で忙しいのよ。

ありがとうございます。