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zetsumetsusengyo
伝説の安心感 (バレエショートショート)
Aは、バレリーナとして世界一。プロ中のプロ、どんな主役でもこなすバレリーナ。Aは舞台に穴をあけたり、本番でも失敗しない。Aが舞台上で姿を見せるだけで客席にどよめきがおき、踊り終えると拍手がなりやまぬ。だからAが出る公演の告知をしたら、チケット発売初日ですべて完売。
タリオーニを超えて
プリセツカヤを超えて
ギエムを超えて
バレエ史に名を残せるバレリーナを目指す…
藍はAになりたい。絶対に。だから日々レッスンを重ねる。プロバレリーナとして生きるため。でも、その行き着く先ってなんだろうと最近思うのだ。
けがでもしたら?
先生に嫌われたら?
大きな国際コンクールで受賞できなかったら?
なにかで踊れなくなったら…それを考えると怖い…
そう考えながらポワントのひもを縫い付けていたらおなじみの奨励さんがやってきた。
うほほい うほほい
人生なるようにしか ならんぞえ
うほほ~い
藍はひもの糸を思いきりぎゅーと引っ張って
鏡の中の己の姿と奨励さんに微笑んだ。
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