白骨化スマホ(ショートショート)
強度の静電気体質を持っている子は迫害される。彼らはスマホに近寄るだけで壊してしまう。
彼らはスマホを手放せぬ社会から捨てられ、特殊な施設に入れられた。施設は山中にあり牛や馬など一緒だった。電気がなくても生きていける自給自足の地で収容された子供たちはスマホがなくても、大自然の中ですくすくと育った。
しかしここ数年外部から衣類やお菓子の配給がないので、彼らは馬に乗って現社会に出てきた。石をぶつけられたらすぐに戻ろうと思いつつ。
ところが皆スマホを握りしめたまま絶命している。そのスマホも一律透明で白骨化した死体と同期しているようだった。一体なにがあったのか。
頭の中で言葉が響いた。
ワレワレ ハ シンリャクシャ ダ
スマホガナイト イキテイケナイニンゲンハ シンデモラッタ
シゼンニ シタシム ニンゲンナラバ イカシテヤル
ノア ノ ハコブネ ノ ヨウニ ネ
ワカッタネ
子供たちは、わかりましたと、うなずいた。
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