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友情の総重量 (バレエショートショート)

 パ・ド・カトル。四人のバレリーナが双方で踊りを譲り合い、時には牽制しつつ技量を誇りあう踊りだ。初演は1845年。当時はマリー・タリオーニ、ルシル・グラーン、カルロッタ・グリジ、ファニー・チェツリートが踊った。初演時は誰がどの順番で踊るべきか争った。突出してタリオーニが著名であったので、タリオーニが当然ラストを飾って踊る。しかしタリオーニの前に、誰が踊るべきかで残り3人が揉めた。

 アタシ!
 いえ、アタシッ!
 絶対アタシ!

 振付師のジュール・ペローは困った。劇場支配人に打ち明けたら解決してくれた。
「御大のタリオーニだけが40歳で残り3人は20代だ。知名度もさほど変わらぬ。タリオーニがラストだからタリオーニの前は、知名度ではなく次に年を取ったものが踊るが良かろう」
 3人とも年齢は非公表だったので、とたんに順番を譲り合った。タリオーニは若いバレリーナを笑顔で眺めているのみ。バレリーナ同士の友情はゼロ以下であった。

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たらはかにさまの企画に参加中です。
今週のお題は「友情の総重量」 です。
素直に実話を書きました。ええ、全部実話です。

ウィキより4人の当時の年齢暴露
タリオーニは40歳、
チェッリート28歳、
グリジ26歳、
グラーン24歳。
本番は若い順からの登場、ラストはタリオーニ。
 

パ・ド・カトルの動画は以下にあります。下記はやや古い1981年のマリインスキーバレエのものです。当時の名花であった4人のバレリーナが踊っています。コルパコワさんは、山岸涼子さんの「アラベスク」でも実名で出てきて有名です。

現在は、バレエの発表会でもパ・ド・カトルの演目をやってますね。大人バレエの人がバレエシューズで優しい振り付けに変えてもらって楽しそうに踊っていらっしゃるのを見たことがあります。


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ふじたごうらこ
ありがとうございます。