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令和5年10月7日(土)の あたりさわりない薬剤師日記


※令和5年 クリエイターフェスに参加※ 10月1日から31日まで毎日薬剤師日記を書く。


 コロナ禍が落ち着いてきた。

 一時は患者の数が激減して、パート勤務のわたしは週2日になっちゃってお給料も激減したですよ……他に資格などがある人は転職した。
 遠方から電車通勤していた非常勤薬剤師は喘息の持病があり、感染が怖いからとやめた。もう一人も別途不動産収入があったので、やめた。もう一人も孫の世話をしたいからとやめた。金持ちはいいなあ。
 わたしはそうでない。週2回勤務でもしぶとく居残り、現在は週4~5回でがんばってる。結局コロナ禍前に四人いたパートで生き残ったのはわたし一人。補聴器使用者で多分一番早くやめそうだと思われていたような気もするが、貧乏人は生き残る。
 

 さて、コロナ禍の対応についての気楽な話です。後年、あんなこともあったね、と笑い話にしたいので。
 コロナ禍で受診をしたいが、諸事情があって外出できない場合、再診に限るが電話診療が可能になった。その行程は以下の通り。

① 医師が患者本人に電話をかけて診察する。
② その後、医師が処方箋を発行する。
③ 処方箋がFAXで薬局に届けられる。
④ 患者は薬だけを取りに行く。もしくは薬局が配達する。
⑤ 薬を配達もしくは郵送する場合は、薬剤師が患者に電話もしくはwebで服薬指導をする。
⑥ 本物の処方箋はあとでまとめて薬局が取りに行く。

 こういう処方箋には、すみっこに「0410対応」 と記載されているはずです。

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◆「0410対応」とは 患者が薬局において電話等による服薬指導等を希望する場合は、処方箋の備考欄に「0410対応」と記載し、当該患者の同意を得て、医療機関から患者が希望する薬局にファクシミリ等により処方箋情報を送付すること。

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(※0410の数字は4月10日でもって施行されたからです。何も考えてない取り急ぎ感のある名づけですが仕方ないですね…)

 再診にかぎるので、定期的に飲む薬が多かったので調剤方法には問題なし。患者の状態によって頓服が追加される程度で大きな処方変更はまずない。

 でもわたしは電話が苦手。聴力が劣っているというのはあらゆる面で不便です。特にわたしは母親のせいで「聴力が悪いせいで人に気遣わせたり、迷惑をかける。だから聞こえているふりをして笑っていなさい、補聴器は見えないように隠しておきなさい」 という嘘を骨の髄まで叩き込まれていた。これは還暦近くなってもまだ引きずっている。それをあえて公言できるようになったのは、つい最近。(なので今までのわたしは本物のわたしじゃなかったと思っている。そして母の思考回路に対して憤りを感じている)

 声が小さい患者には、私はこう話す。
 申し訳ないけど、と事情を正直に言う。(言えるようになった)

 そうして大きなお声を出して話してもらっている。1人、声帯を取っている人がいて、大きい声を出してもらうとなぜか割れて聞き取りにくい。いつものように他の薬剤師に交代しますねといったらば、「いや、きみでいい」 という。声を出す練習をしたいから、時間がある限り話してほしいという。そんなに時間があるわけではないけれど、ゆっくりと区切るように話してくれればわたしも理解できる。
 患者さん含め全方位で迷惑をかけているのは間違いないが、全方位で感謝を伝えるように心がけて働かせてもらっています。

 コロナ禍はまだ続いてはいるけど、最悪な状況は抜けたと思いたい。あと、コロナ禍が終わってもわたしの聴力は良くならない。一生コレかと嫌になるが仕事もしくは創作をしていると気がまぎれる。ありがとう職場の皆さん、そして読者さま。
 



ありがとうございます。