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釜揚げ師走(バレエショートショート)

ウィーンフィルのニューイヤーコンサートは元旦に開催されるがそれにならって某バレエ団も始めた。しかし今回は出演予定者数人が直前にコロナに罹患してしまった。チケット完売で公演中止はできぬ。それで藍や舞が代役になった。しかも大晦日に。

まだプロじゃないのに、お客様から怒られないかしら

心配していると、振付師から「だったら、ちゃんと踊れ」と怒鳴られた。本番まであと数時間。二人はとにかく頑張った。プロダンサーたちと息をあわせてやった。

なんとか形になりそうだ、もう一回最初から通しでやるぞ

開演できそうだとわかると、もっと元気になった振付師がフルパワーで叫ぶ。

このシーンよしっ、次、これもよしっ


次々にやってくるシーンが目まぐるしい。リハーサルの舞台上はダンサーの熱気でいっぱいだ。飛び回る藍たちが息を切らして言う。

熱い……茹で上がりの……釜揚げみたい

振付師が聞こえたらしく、

うん、師走らしくていいな、釜揚げ師走だ。さあ、もう少しで本番だ



」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

たらはかにさまの企画に参加中です。
今週のお題は「釜揚げ師走」 です。


ウィーンフィルのニューイヤーコンサートは文字通り元旦に開催されます。現地(オーストリア)まで聞きに行く場合は世界一チケットが取りにくいらしいですが、日本にいながらでも視聴はできます。

ウィキペディア


実は数曲ですが、演奏にあわせてバレエも出ます。
毎年ワルツがでる。きれいです。



2025年のプログラムは公表されています。
現地時間は11時開催ですが、日本では夜のEテレで視聴可能です。




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ふじたごうらこ
ありがとうございます。