放課後ランプ (ショートショート)
ぼくの学校は、夜になると、学校の表玄関にある放課後ランプがつく。朝になると消える。
夜の学校は人間以外の妖怪の登校時間だから…妖怪も少子化の影響で生徒数集めが大変らしく、人間と同じ学校で学べますといって集客するという。ある日、ぼくは帰るふりをしてトイレに隠れ、放課後ランプがつくのを待っていた。
ランプのおかげで学校入り口周りは明るいが中は真っ暗だった。お化け屋敷みたいで面白そうだ。
闇の奥でなにかが蠢く。
「あれ、お前は人間か、いいのか?」
ぼくの目には何も見えぬ。
「闇をみれない人間のくせに、どうやって勉強するの?」
「今日の家庭科は人間の指の佃煮らしいけど、材料になってくれるの?」
逃げようとしたが、放課後ランプの下に行くとそこから一歩も動けなくなった。また声が響く。
「放課後ランプの決まりを守れない子は、何をしてもいいって人間代表と内々で取り決めている。よく来てくれたね」
ランプがもっと眩しくなった。
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