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令和6年10月2日(水)のあたりさわりないエッセイ日記


今年も10月1日から31日まで毎日エッセイ日記を書くことにしました。



本日のテーマ
長期服薬における安心感について

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薬剤師さん、私は、この薬を一生飲まないといけないのでしょうか?

 

 調剤薬局に薬を取りに来られる患者さまと話をして、数十人に一人はこれをおっしゃいます。

 飲み続けるのがイヤなんですけど、というニュアンス。薬を処方した医師に言わずに、薬を調剤した薬剤師に言う。これは重要なセリフです。
 たとえば、ある種のビタミンやホルモンなどを、物理的に補う必要がある場合は、患者自身が薬の必要性を理解しているので、質問しない。
 抗がん剤系も最近は告知されて当たり前で入院時に、今後どうなるかの説明を詳しく医師たちから聞いている。ゆえに調剤薬局にいる薬剤師まで念入りに確認したり質問しない。
 喘息の発作予防の薬の服薬や吸入をする人も愚痴は言わぬ。

 愚痴をいうのは、降圧剤やコレステロールを下げる系などで、飲まなくてもすぐに体調が悪くならない人です。彼らは「一生コレを飲むのかよ?」 とうんざりする確率が大きい。要は効果を感じにくいからでしょう。

 対応ですが、薬についてより詳しい説明をします。製薬会社も心得ていてたとえば降圧剤ではなぜ薬を継続して飲む必要があるかの啓蒙用パンフレットを出す。それらを見繕ってわかりやすいものを渡して説明する。たいていは納得してくれる。

 難しいのは精神科系。患者本人にしかわからない症状で孤独に闘病するケース。一生飲むか飲まないかは、患者が成人している場合は強制はできない。ゆえに、飲む飲まないは、結局は患者自身が決めるところが大きい。
 外来受診だと医師も続けて飲んでねと言うだけ。目で見える効果と自覚を得られにくいから本人も不安になる。あとは恥ずかしさかな。精神疾患に対していまだ偏見があるのは否定できないから、誰にも言わないし、言えない。自己肯定感が下がりっぱなしの人が多い。
 精神疾患は、完治ではなく、緩解という言葉になる。再発する可能性が高い場合は、治ったと思っても薬が途切れることはない。この場合は、服薬をつづけるにあたり、安心したいから念を入れて薬剤師に確認していると、とらえている。入院歴のあるなど、しんどい時期を経験している人は理解が早い。
 逆にそんなに深刻でなく、飲まないと決めたら、医師や薬剤師に何も言わずに通院もやめてしまう。真面目な人だからこそ、ちゃんと飲みたいがために、必要性を聞く。(←重要)

 一生飲む薬は、気分よく飲んでほしい。日常生活の重要な一部になるように、そのとっかかりが医師や看護師や薬剤師たちが構成する。が、実際に飲むのは患者で用意をするのは患者本人もしくは家族になる。
 がっかりな表情を隠さない人には、メガネやコンタクトを入れるのと一緒、わたしに関しては補聴器を使うのは一緒だと心得てくださいと申します。全快がありえない場合は、はっきり伝えるのもその患者さまのためです。

※ 施設入所中の人は薬の管理は施設自体がやるので、この話には当てはまりません。

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※関連話
名指しでクレーム入れられるのはそりゃショックですわ~…… 


ありがとうございます。