オノマトペピアノ (バレエショートショート)
藍が通うバレエスクールには外部から臨時講師が来る。元バレエ団員の指導者が多い。都度特別レッスン料がかかるが、得ることも多い。今回の先生も長らく海外で活躍されていた男性だが、指導のクセの強い人だった。こんな風に。
グランジャーーーーン プーーーーーーーッ
アラベスクアラベスク伸びて伸びて イーーーーッ
まわってまわって アーーーーーーッ
彼は専属のバレエピアニストを連れてきていた。そのピアニストは掛け声を応援するように、即興で曲をつける。
プーーーーーーーッ には滞空時間を長くしろとでもいうように最速トレモロ。
イーーーーーーーッ にはポーズを秒単位で保てというように重低音でペダルを踏みつくす。
アーーーーーーーッ には、ジャグジャグと高音と低音を重ねて音も一緒に回転しているように。
先生の声とピアノが連動しているようだ。ピアニストは譜面も見ず、藍たちを笑顔で見て音をつける。もちろん藍たちは気分よくレッスンを受けることができた。
」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
たらはかにさまの企画に参加中です。
振り付けを覚えられなくて、もたつく生徒を励ますように大声を出す先生がいらっしゃるので、そこから話を作りました。半分実話です。
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