事業再構築補助金、採択された案件の事業計画書を公開
事業者様からOKをいただきました
事業再構築補助金、第2回の採択発表が既に行われておりますが、今般、弊社が支援させていただいた事業者様から「事業計画書を公表していいよ」という許可をいただきましたので、公表させていただきます。ただし、個人情報等はこちらの判断で黒塗りとさせていただきました。画像のサイズがページによって違うのはご愛敬ということでお見逃しください。
今回採択されたお客様の属性等
今回採択されたお客様の業種は飲食業で、通常枠での応募をされました。加点申請として、「売上3割減の月あり」「協力金が固定費を上回る」「EBPMへの協力」を選択されておられます。
最初は「事業再構築要件」と企業概要
まず最初に、事業再構築要件への適合について記載を行っています。必ずしも最初に書かなくともよいのですが、事業再構築要件は形式要件であり、また審査項目(3)-①「事業再構築指針に沿った取り組みであるか」に関わってくるので、最初に記載することにしました。
現在の事業内容はほぼ黒塗りになっていますが、事業の概要と店舗やメニューの写真などをカラフルに貼り付け、事業へのイメージがわくようにしています。
なお、文字のフォントは原則として「BIZ UDPゴシック」を使用しています。ユニバーサルデザインに配慮したフォントを使用することで審査員が見やすく、理解しやすい書類づくりを心掛けています。
次にSWOT分析と事業再構築の必要性
2ページ目はSWOT分析と事業再構築の必要性について記載しています。SWOT分析と言いつつ、「自社及び社会経済環境の分析」というタイトルにした上、SとOしか分析していませんが、WとTは無視してよいという確信がありました。事業再構築が必要となる局面で、WやTの解決にこだわっていては前に進めなくなるためです。
また、事業再構築の必要性は、審査項目(3)ー②「既存事業における売上の減少が著しいなど(中略)事業再構築を行う必要性や緊要性が高いか」に対応しています。次のページのグラフでは、売上が減ったところを赤で囲み、コロナでひどい目に遭ったんだよ!というところを強調しています。
事業再構築の具体的内容を記載する
事業再構築計画として、どのような商機を感じており、どのような事業に取り組み、そのためにはどんな課題があり、解決策は何で、解決のために何を購入するのか、という流れで書いています。この時、それぞれがロジカルに繋がることを意識しています。また、審査項目(3)ー③や(3)ー④への適合も意識しながら書いています。
このあたりだいぶ苦労したのか、今見直すと日本語が少しおかしいところがありますね。
事業の実施体制と実施スケジュール
プロジェクトリーダーは中小企業だと社長ですね。資金支援はメインバンクが担当することが多いです。ここは審査項目の(2)ー①「本事業の目的に沿った(中略)補助事業を適切に遂行できると期待できるか」や(2)ー③「遂行方法及びスケジュールが妥当か」を意識しています。
マーケット調査と売上獲得見込みを示す
このあたりは個人情報が少ないので黒塗りも少なめです。新規事業の市場がどのくらいあり、そのうち当社はどのくらいを獲得できそうかという見込みを記載します。審査項目(2)ー②「市場ニーズの考慮、顧客ニーズの有無の検証」を意識しています。
優位性や収益性の話(審査項目(2)ー③)も盛り込もうとしていますが、しっかり記載しきれていません。採択はされましたが、ここは反省点です。
収益計画と算出根拠
いよいよ最後の収益計画のところですが、機微な情報も多いので申し訳ないことではありますが、ほとんどが黒塗りです。
収益計画は部門別採算の手法で売上を積み上げ、損益分岐点分析の手法により、費用を変動費と固定費に分けて計算しています。もっともここは飲食店なので、変動費=仕入高、固定費=その他の費用という構造なんですが。
この項目で最後に審査項目(2)ー④と(1)に対応させています。政策点への対応はしませんでした。本文中から読み取ってくれたらいいな、程度の考えです。
反省点と次回以降への生かし方
採択されたからこそ言えるのですが、甘さもあったなと思います。優位性や収益性への言及が甘いし、近隣の同業他社も調べていないなど、審査項目に対し全て答えられているわけではないし、政策点への言及も多少はした方がよいと思います。
通常枠15枚制限のところ12枚しか使っていないので、あと3枚、もっと画像を多用したり、収支計画の算出根拠を丁寧に説明した方がよかったかもとか、色んな反省点があります。まだまだ改善の余地ありです。
次回以降、というか既に第3回申請も終わりが近いので第4回公募に向けての生かし方になるのですが、キッチリ公募要領を読んで審査項目に沿った対応をしていきたいなと思います。
本件は、私一人の力だけではなく、Twitterの中小企業診断士クラスタの皆様のご協力もいただいて完成した事業計画です。ご協力いただいた皆様には深く御礼申し上げます。
なお、弊社でも事業再構築補助金の申請支援は引き続き行ってまいりますので、支援を希望される方はこちらからご連絡ください。希望者多数の場合は、弊社と提携する地元の中小企業診断士をご紹介させていただく事も出来ます。