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劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデンを見てきました。

ネタバレの感想文です。見に行くのだるいから感想見るぜって人は来るな、読むな、今すぐ見に行け、行く予定立てろ。

先に少し。
これは劇場版という名のヴァイオレット・エヴァーガーデンの最終回でした。
これを以てヴァイオレット・エヴァーガーデンの物語は完結するんだよ。

ヴァイオレット・エヴァーガーデンとは

大まかなあらすじ

4年間にわたる東西南北による大陸戦争が終結。その戦場で「武器」と称されて戦うことしか知らなかった少女・ヴァイオレット・エヴァーガーデンは、激化する戦場で両腕を失い、自在に動く義手を付けることを余儀なくされる。
退院したヴァイオレットは、ホッジンズの下で、自動手記人形としてC.H郵便社で働きはじめる。ヴァイオレットには、かつて戦場で誰よりも大切な人・ギルベルト少佐がいた。最後に聞かされた「愛してる」という言葉が理解できなかった彼女は、仕事と日常を通じて人と触れ合いながら、その言葉の意味を探していく。(Wikipediaより引用)

主人公・ヴァイオレット・エヴァーガーデン

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劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデンのあらすじ

代筆業に従事する彼女の名は、〈ヴァイオレット・エヴァーガーデン〉。
幼い頃から兵士として戦い、心を育む機会が与えられなかった彼女は、
大切な上官〈ギルベルト・ブーゲンビリア〉が残した言葉が理解できなかった。
──心から、愛してる。

人々に深い傷を負わせた戦争が終結して数年。
新しい技術の開発によって生活は変わり、人々は前を向いて進んでいこうとしていた。
しかし、ヴァイオレットはどこかでギルベルトが生きていることを信じ、ただ彼を想う日々を過ごす。
──親愛なるギルベルト少佐。また今日も少佐のことを思い出してしまいました。
ヴァイオレットの強い願いは、静かに夜の闇に溶けていく。
(公式サイトより、これ以上はネタバレ含まれそうだなって抜粋)

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ここからはネタバレフルスロットル!!(みてない人見に行こうね!)

いや…ほんと良かったです。

ちょうど去年の今頃かな、外伝を劇場で見て以来のヴァイオレット・エヴァーガーデン。

熱心なファンではないといえば怒られるかもしれないけど、私はテレビ番組をすごいな…面白いな…と思いながら、しかし京アニ的にはテレビ放送で数えると前々作の響け!ユーフォニアム2のあすか先輩と黄前ちゃんでボロクソに感情揺さぶられて、ボロクソに泣いたので、それ以上来ないだろ、となんとなく1歩引いて見てしまった作品。

いや、当時も面白い! 感動する! とは思ってたけど、なんとなくTRUE(響け!の主題歌を担当)と茅原実里(境界の彼方の主題歌担当)で固めた主題歌とか、2018年本放送ですけど、それより2年ぐらい前からPVがあった感じとか、すごい力が入ってる感(自社小説だから今までの成功要因入れるのは当たり前)で、なんなんだ……と正直思ってしまったところはあったと思う。

去年五月に公開されて、一年近く(以上?)劇場公開されていたプロメアはTRIGGERの集大成的な、今までとこれからを区別するんだ! というのと似た空気を感じたのかもしれない。あれは、見た目からそうだと感じたからいいけど、一話見てそれをぶつけられたらどうしたらいいかあたふたしてしまった。真意はわかりませんが。

1クール3本以上+ポケモンと忍たまとおじゃる丸を見る立派なアニオタなため、テレビ版の記憶がすごく面白かった(ヴァイオレット関係のあれこれとかは覚えてるしエピソード言われたら思い出すけど、どのエピソードが好き?って言われると吃っちゃう)っていうだけなので配信で確認……できねえ!プライムもDアニメもねえ!orz(って書いた後にyoutubeで公式配信されてる五分でわかるシリーズ見てきました、思い出しました)

そんなちゃんと視聴してるのにクソにわかファンなんですけど、とってもとっても良かったねえ(語彙力消失どこ行った)ってなりました。

以下思い出しながら感想文。

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物語は現代。
テレビ版で「先短いお母さんが子供のために手紙を誕生日に送るために依頼する」というエピソードの子供がおばあちゃんとなり、お葬式から始まる。
孫は大好きな家族と素っ気なく、時には意地悪に接してしまう。そんな中で曾おばあちゃん(テレビ版のお母さん)がおばあちゃんにあてた手紙を見つける。死後も見守っていると伝える手紙を読み、それを代筆した少女、ヴァイオレットに興味をもって、足跡をたどる旅に出る。

映画見てた時はそのテレビ版のエピソードなんて覚えてなかったのもあるし、私が当時より親のありがたみを知って、大人になったが故にすでに涙腺崩壊しそうになる。開始五分ですでに泣ける。

自動手記人形・ヴァイオレットの物語を追体験する視聴者と同じ立場の孫(デイジー)。
ヴァイオレットの時代ではガス灯が電気に、手紙は電話へと変革していく。その末にいるデイジーという素直になれない、本当は大好きなのに衝突してしまう等身大の女の子。それはまるで私たちのようで。

思いを伝えるのが簡単になったからこそ、どんどん伝えづらくなっていく。


ヴァイオレットは功績をたたえられ、海をたたえ安全を願ってそうな(ごめんあやふや)祭りの祝詞の代筆を任せられるようになっている。
売れっ子代筆屋として、三か月先まで予約でいっぱいの多忙な生活を送る中でもふとした時に「あいしてる」をくれた少佐・ギルベルトを思い出し、目の前と思い出を重ね、会えると願い、願いが叶うように祈る。
郵便社の同僚や社長は過去にとらわれ続けているように見えるヴァイオレットを心配し、何かと目をかける。

よく、過去にとらわれてそのままってあるじゃないですか、傍から見るとそれは前へ進めていない、進んでくれ! ってなるやつ。
敵として登場して、こんな未来なんて!!って暴れるとかあるあるだと思うんですよ。

でも、ヴァイオレットは過去にとらわれたまま、少佐に会うという未来を信じて進んでる。感情の知らない武器だった彼女が、自動手記人形として顧客の感情を引き出す売れっ子となっている。でも、傍から見れば進めていないように見えてしまうんですよねえ。

ある休みの日。墓地にて、ギルベルトの母親の墓へ参ったときにギルベルトの兄・ディートフリートとばったり再開する。
「弟の代わりのつもりか、(弟を)忘れろ」
と言い放つディートフリート。
「忘れることなどできない」
というヴァイオレット。

元々、ヴァイオレットを拾ったが、武器だ、道具だ言い放って、弟と確執があったが故に、ヴァイオレットとも少なからず確執があったディートフリート(それだけではないんですけど)

彼はひねくれて、反骨精神があるので幼少期からひねくれた言い方しかできない。その分弟に押し付けてしまっていたんだ、とヴァイオレットの言葉を聞いてちょっとだけ素直になる。
その結果、弟の持ち物上げたりとかツンデレっぷりを発揮する。弟にもう一度会えたら、とかデレ。どうした兄貴……。

休みの日に郵便社に一本の電話がかかってくる。
少年の声で自動手記人形の依頼だと、どこでも駆けつけるんじゃないのかと、煽られ(?)休日出勤するヴァイオレット。
少年は病院に入院する子供だった。少年・ユリスは死期が近いことを悟り、いつも心配してくれるが、それが原因で素っ気ない態度をとってしまう両親と弟に死後に手紙を届けてほしい、という依頼だった。
子供のお小遣い程度の依頼料だが、臨機応変に依頼を受けるヴァイオレット。
弟に対して悩むユリスに、生まれたときはどうだったか、でも取られたような気持になって……僕の分も生きて、両親に甘えて、という言葉を引き出す。
そして病気の姿を見られたくなくて拒絶していた親友・リュカにも、「思いを伝えられるうちに、伝えたほうがよい」と言い、手紙を促すが、体調悪化によりその日はお開きとなる。

その裏で、あて先不明の郵便物の処理を話すベネディクトとクラウディア。クラウディアはその中に見知った文字で書かれた手紙を発見する。

自動手記人形となりたてだったヴァイオレットでは考えられないような成長を感じる依頼。

マニュアルにないことを、すらすらと行い、人の気持ちを知ったからこそ紡げる言葉。彼女の成長が感じられる。「あいしてる」を知るために、たくさんの愛してるに触れた彼女だからこその成長だな。

ディートフリートにも筆跡の確認を取ったクラウディア。
もしかしたら違うかもしれない、と前置きをするクラウディアの言葉をさえぎって「少佐ですか!?」と、本当に生きていたのだと、希望を持つヴァイオレット。
仕事を休んで、とある島にいるそのギルベルトの筆跡に似た人物を確かめるため、汽車に乗り船に乗り、島に降り立つヴァイオレットとクラウディア。
移動の中で、もし会えたなら何を話すべきか、手紙にするといいという同僚のアドバイス通り、手紙を書くヴァイオレット。しかし、うまく筆が運ばない(ように見えた)

ちょいちょいある島の隻腕隻眼の青年が映ってたのでもしかして……という答え合わせ。

私は小説版を読んでないので正直少佐と再会する話だとは思ってなかったよ……。

島は先の戦争で男がいなくなり、残ったのは老人と女子供だけだった。
そこでギルベルトは教鞭をとり、隻腕ながらもブドウ畑を手伝っていた。

ついに会える、と落ち着かないヴァイオレット。
そんなヴァイオレットにギルベルトの気持ちがわからない、もしかしたら会いたくないのかもしれないから自分だけで先にあってくるというクラウディア。
クラウディアを待つ間、ギルベルトが教える生徒がやってくる。生徒から先生の話を聞き、「少佐だ、少佐はご無事だった!」と舞い上がるヴァイオレット。
一方、ギルベルトと対面するクラウディア。
ギルベルトは気づいたら教会だった。教会の仕事を手伝った後は世界をあちこち回って、この島についた。本来なら軍に報告すべきだったが……と、軍人時代の旧友に対しての態度をとる。
そんなことより、ヴァイオレットちゃんな社長。「知っていたんだろう、なぜ会わなかった」と問いただす。
ギルベルトは「兵器」としての彼女を拒絶していた、人間として接したかったにもかかわらず、結局兵器として利用してしまった。自分が彼女を不幸にしたと、自責の念でいっぱいだった。
ヴァイオレットにギルベルトには会えないと伝えるクラウディア。
それでも、それでも、とギルベルトを求めるヴァイオレット。

ギルベルトの家を探し出し、
「少佐の気持ちも少しはわかるようになったのです」
と伝えるヴァイオレット。
彼女が自分を信じてくれている、待っていてくれたということはわかるが、それでも自責の念、自分と一緒にいない方がよいという思いからギルベルトは拒絶する。

(「あいしてる、も少しはわかるのです」ってここで伝えたっけ、記憶があやふや)

大雨の中、灯台の郵便局に泊まることになるヴァイオレットたち。
ギルベルトに拒絶されたことに呆然としているヴァイオレット。
そんな中、郵便社に病院から連絡があったというモールス信号が届く。その内容は「ユリスが危篤」だと。
それを聞いて、預かっている手紙を渡さなければ。ユリスとの「死んだその日に両親に手紙を渡す」という指切りを守らなければ。何より、親友への手紙を書いていない。だから帰らなければ、と帰ろうとするヴァイオレット。しかし、三日はかかる、何より夜のため船がない。

ライデンにいる同僚・アイリスとベネディクトがヴァイオレットの代わりにユリスのもとへ。リュカへの手紙の内容を引き出そうとアイリスが聞くが、危篤のユリスは手紙を代筆してもらう体力がもうない。
アイリスたちはリュカを病院に連れてきて、電話で二人を話させる。
「いつまでもともだちだ」というリュカ。そんなリュカに「ごめん」と「ありがとう」を、伝えたかったことを伝えられたユリス。

リュカに伝えれて、家族に看取られて、天国へ行くユリス。

そして、手渡される手紙。状況がわかってかわからずか、弟はお兄ちゃんからの贈り物にありがとう、と伝える。

ここでもうまわりからすすり泣く声めっちゃ聞こえましたね。
それ以上は筆舌できない。文章で表現しようとするなら言葉にできないとか軽率に書くな、って昔言われたことあるんですけど、それを表す言葉を持ち合わせていない。

ユリスの結末を聞き、それでもギルベルトに会わず、会えずとも次の日の便で帰ることを決めるヴァイオレット。

次の日、斜面のブドウ畑で作業をするギルベルト。
ブドウ畑には技術が取り入れられ、収穫物を運ぶリフトが完成し、始めて運転されるところだった。
下からブドウを送り出すギルベルト。上ではギルベルトの教え子たちとそのお母さんたちが便利になったと集まっている。
そこに通りかかるヴァイオレット。ギルベルトの教え子に「先生宛に」と手紙を託す。

老人に「戦争はみんなが悪い、一人でしょい込むな」と言われるギルベルト。そして、兄・ディートフリートと再会する。

お兄様来ていたんですか、感パないなーって思った(小声)いつ来たん?

「お前にあったら謝ろうと思った。でも今は殴りたい(あやふや)家は俺が継ぐ、お前は自由になれ」
伝えたいことを伝えるディートフリート。
そこに、ヴァイオレットからの手紙が届く。

手紙の内容とかいう最重要項目ちゃんと覚えてないので書かんけど、「あいしてる」を伝える手紙だったと思う。なぜかここが記憶から飛んでる。なんせユリスの話が心に刺さりまくってしまった。

手紙を読んで、ヴァイオレットの気持ちを知る。そして自分の気持ちを伝えるために、追いかけるギルベルト。

ここがすごい印象的で、今までってヴァイオレットがギルベルトを追いかけていたわけなんですよね。

でもそれが今は逆。

少佐こそ、さっき書いた「過去にとらわれた」人だったんですよ。本当はとてもやさしい子なのに陸軍に入って、戦争を経験して、年幅のいかない子供を使って。その過去に悩んで。

そうやって過去をうじうじしてる間にヴァイオレットは「あいしてる」を知るために動いていた。少佐に会うために前を向いていた、というのがこの立場の逆かなって。

いつの間にかヴァイオレットが前に進んでいた。

ギルベルトがヴァイオレットの名前を叫ぶ、それを聞いたヴァイオレットは船から飛び降り、泳いででもギルベルトのもとへゆく。
やっと対面する二人。うれしさのあまり涙が止まらないヴァイオレット、涙をぬぐいたいから顔を上げてくれというギルベルト。

あいしてる、そばにいてほしい


戦時中に少佐がヴァイオレットによく「離れないように」と言っていて、ある意味やさしさからの命令だったんです。それが願いとなり祈りとなる。

(ダイナミック入水でちょっと持っていかれたのは秘密)

デイジーはヴァイオレットの足跡をたどる。
C.H郵便社は博物館となっている。そこで、ある切手を見つけ、あの島を訪れる。
そこは一人当たり手紙を書く量が多く、それにより記念切手が出ているという。昔この島には自動手記人形がいたと、それの影響でそうなったと。記念切手にはヴァイオレットの絵が描かれている。

ヴァイオレット・エヴァーガーデンは18歳で請け負っていた仕事を片付けると郵便社をやめ、島で灯台の郵便局を引き継いだ。

ヴァイオレット・エヴァーガーデンの足跡をたどりきったデイジーは両親へ手紙を書く。
言葉では伝えられない気持ちを伝えようと。手紙なら伝えられると。

ギルベルトと共にいるヴァイオレットのカットと「あいしてる」で映画は終わる。

**

映画を通して「伝えられるうちに伝える」ということなんろうな。

デイジーのように私たちは便利になった世の中で、伝えなきゃいけないことを先送りにして、伝わったつもりで、いつか伝えるつもりで生きてるのかな。

伝えなきゃいけないことってホントに照れくさくて、画面すいすいってするだけで伝えられるからこそ、伝えない。

でも、発展途上のヴァイオレットの時代でも伝えたいことを伝える勇気っていうのは変わらないけど。変わらないからこそ、デイジーは前時代的な手紙を使って伝える。

伝えなきゃいけない、って思えた。現代で生きているとわかっているんだけど、わかっていないことが詰まってた。

ヴァイオレットが受けた依頼の時に子供だった女の子がおばあちゃんになって、なくなっているところから始まる時点でクソしんどくて。

今までのことが追体験ですよー、彼女は今はいませんよ。っていうところからってしんどくないですか。今まで幸せになるのかな、なってほしいな、って見てきた女の子が最後の最後で火垂るの墓方式やでーって言われるのつらすぎる。
人はいつかは死ぬとは言え、思い出しながら打っててしんど!! って叫びそうになった。

でも、手紙は残る。人がいなくなっても思いは残る。

現実のことと、フィクションの中のことは別のこととしたいところですが、例の事件が視聴者にも、制作陣にも強く強く刻み付けられてしまったが故に残った思いが強く刺さる。


ヴァイオレット・エヴァーガーデンという、エヴァーガーデン家に引き取られて、自動手記人形として生きていた少女の物語は終わり、ヴァイオレットという女性とギルベルトという男性がそばにいるという物語が始まる。

「あいしてる」


で、小説読みたくなったんですけど、どこにも売ってないって酷くねえ?頼む再販してくれ…再販滅多にしないのは知ってるけど…。

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