本人たちの許可を得ないスタイル。
誰とはいいません。
「え、なに」
眠そうな顔をした彼が、すこし驚いて目を軽く見開きながらこっちを見る。トレードマークのサングラスを今は外していた。いかつく見えてしまうそれを取れば、いつもの優しい目だった。
シートを倒して眺めていた携帯の画面が少し見え、バスケの試合結果をみていたことがわかり少し安心する。
「いや、別に」
「え、なんや」
服の裾についていた糸くずが気になって取ったら、服まで引っ張ってしまった。ただそれだけなのだが。
「なんでもない」
なんだか構ってもらえるのが