サザンオールスターズの名曲は夏うただけじゃない、秋うた冬うた春うたもだから聴いてくれよ。
ファーストサマーウイカ→セカンドオータムアキジロウ→フィフスウインターゴフユ。
というわけで、セカンドオータムアキジロウの季節ですね。
どうも、文芸サークルバケツズの横林大です。
あれだけ騒がしかった夏も終わり、随分と秋めいてきたこの頃。
フジファブリック『若者のすべて』を聴くにもちょっと時期的に冬の方へ足を踏み入れている中、みなさんはどんな曲を聴きながら日常を過ごしているでしょうか。
私はと言えば、ついこの前までは夏真っ只中でサザンオールスターズをヘビロテしていたりしました。”真夏の果実”とか、”夏をあきらめて”とか。
特にサザンオールスターズなんて言えば夏のイメージがとても強い印象があります。夏の奔放さも切なさも開放感も、すべてサザンのサウンドは網羅している。日本の夏を感覚的に説明する時には、サザンの曲を紹介すればいいんじゃないかと思うくらい。
ですが!
そんなサザンも夏以外の季節を歌ってる楽曲が多数存在します。
今日は、そんな”夏うた”とは違った魅力をもつサザンの楽曲を紹介させてください。
【秋曲】OH, GIRL(悲しい胸のスクリーン)
なんというイントロダクション。
アルバム曲というのもあるのだろうが、ちょっと渋すぎるか。
オリエンタルな出だしから洒落たベース音に魅せられて、あとはもう切なくて気だるいAメロに引き込まれるまま。
夏を歌うサザンだからこそ、過ぎ去った季節を憂う様が響く。
聴いている時に感じる消失感は”恋”と”夏”を重ねるからこそ、秋の切なさをより浮き彫りにしていくよう。そのような気持ちを”雨”や”日差し”、”黄昏”と空の様子で表現する歌詞。
何よりメロディアスなサビへの移行が、より秋や失った恋をドラマティックに展開させていくのが流石。サビのラストで心地よい旋律から少しずらす感じもまたシングルにはない良さだと感じられる。
そんな構成で進めつつ”ここがサザンだなあ”と思うのは転調してからのラスサビで最後は、しっかりとメロディの心地よさを踏んだまま終わる点。ここの矜持は国民的バンド故だなあ、と。
【冬曲】CHRISTMAS TIME FOREVER
あるんです、サザンにもクリスマスソングが。
ソロだと『白い恋人たち』や松任谷由実と歌った『Kissin’ Christmas (クリスマスだからじゃない)』もあって、やはり夏の名曲を作れる才能が冬の名曲を作れないわけない、という。
サザンなら『クリスマス・ラブ(涙のあとには白い雪が降る)』もワクワクさせるようなザ・クリスマスソングという感じで非常に良いのだけど、個人的には静かに終わりを迎える『CHRISTMAS TIME FOREVER』が好み。アルバムの最後の曲だからこその余韻のなさだったりするのか。
こちらの歌はクリスマスソングなのだけど、冬にある楽しさというよりは寂しさや切なさに寄り添っている感じがする。その温度感の良さ。歌詞も”永遠なる愛など今は夢なのか”や”このまま世界が終わると言うなら 雪降る聖夜も恋には落ちない”など叙情的。”だけども小船は明日の海をゆく”がにぎやかでないクリスマスを過ごす人たちへの優しい眼差しのようにも感じられていいんだ、また。
【春うた】彩〜Aja〜
大好きな春歌。本当に素敵。
サザンが歌うからこそ真っ直ぐな温かさが染み渡る。
というかメロディ良すぎ。
別に桜とか使わなくても、聴き心地だけで、あの春の高揚感を感じさせるのは流石。
けれど、それと反するように歌詞の別れへの描写は切実で。
この対比が春の別れという面を描いているように感じられる。
”夢の中へ僕を僕を連れてって”
”夢の中でだけどそばにいて”
夢の中でしか、もう会えない存在。
まるで、その夢の中の素敵な誰かと過ごす世界を描いているみたいで。
この叙情さと、女呼んでブギとかの奔放さのギャップがサザンオールスターズの良さなのだろうな。
もちろん、今回紹介しきれなかった名曲もサザンにはたくさんある。
ぜひみなさんも聴いてみてください。
ファーストサマーウイカも、セカンドオータムアキジロウも、フィフスウインターゴフユも、セブンススプリングナナハルも、オールシーズンバケツズも大喜びすることと思います。