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10月26日(土)バケツズの発表会が無事終了しました。


 バケツズの発表会『カシマシくんとミッシェルガンさん』『野武士とB』が無事に終了しました。お越しいただいた皆様、本当にありがとうございました。

 今回は、体調不良などの当日キャンセルが相次ぎ(季節の変わり目め!)、当日が一番しっちゃかめっちゃかする事態だったのですが、ふたを開ければたくさんの方にお越しいただきました。あれだけ心配していた席もほぼ埋まっており、本当に毎回人に助けられているな、と実感した次第です。当日飛び込みで来られた皆様も本当にありがとうございました。また、当日さまざまな事情で来られなかった皆さまもまた何かの機会にお越しくださいね。


 さて、今回のイベントで上演した『カシマシくんとミッシェルガンさん』『野武士とB』はどちらも数年前に上演した私の大好きな作品、二作です。この二つには、心がキラキラと輝く、あの頃の自分が残っているようで読みながら眩しさにやられそうになったりもしました。言い意味で大人ではないというか。そんな作品を、それぞれのキャストと楽しみながら読めて本当に良かった。


 アステリズムさんは、『カシマシくんとミッシェルガンさん』に鋭い思慮を与えてくれました。
 稽古前に「横林さん、これ”カシマシくんとミッシェルガンさん”への私の考察なのですが」とびっしりと文字が埋められた用紙を3、4枚持ってこられた時には「そんな方初めてだ!」と驚いたものです。そして、その考察が作者本人よりも作品のことを考えて練られているのだから本当に凄い。恥ずかしながら「これ採用しましょう」と数案は拝借しました。そんな慧眼が作品を育み、そこにアステリズムさんの表現によるパッションが加わる。その化学反応の素晴らしさは筆舌にし難いものがありました。
 また、アステリズムさんのカシマシくんは、大変優しさと可愛げが溢れていて良かった。ドナドナをユウスケが歌うくだりは毎回やっていて楽しみでした。笑いに溢れた作品でしたね。最後の切なさも見事。あれは見ていてグッとくるお芝居でしたね。隣でビシビシとカシマシくんの想いを受け取っておりました。嬉しかったな。
 最高のカシマシくんを演じてもらったと思います。

 愛川星店長は、昔から『野武士とB』のことも知っていて、作品への造詣は言わずもがな、前回の宝亭お富さんとは異なるアプローチで女子学生Bを演じてくれました。身体表現との組み合わせは初稿の段階でお願いしていたものです。演じてもらって大正解でした。ハマり役でしたね。
 そもそも喫茶フィガロという場所は本当に朗読作品を上演するのに適したハコでして、そんな店長さんと、このようにして朗読劇で上演ができるとは思っていなかったので本当に嬉しかったです。
 個人的には、本番で笑いを巻き起こす前半のとぼけた演技が絶妙で、笑いが起きていたのは嬉しかった。”おハゲちゃん”のくだりは愛川さんだから出来た手法と言いますか。あれがあったから後半のギャップにやられる人も続出していたのではないかと思います。素敵な表現活動でした。そりゃあ野武士も惚れるでえ。
 お店のレンタルも含め、本当にありがとうございました。

 そして、今回も照明は安定安心の『辻遊助』さん。
 何度も照明の変化を見るたびに「おお!」「これこれ!」「こういうのが欲しかったんですよ」という曖昧な脚本家のオーダーをビシビシと叶えてくださいました。
 これはキャスト3人で話していたのですが、やはり照明が加わった時の劇への没入感がない時のそれと大違い。あの照明があるからこそ感動的な場面や、笑いに溢れる場面が出来上がったと思います。
 本当、毎回職人なんですよね。凄いと思ってるし、実際すごいです。
 特に、カシマシくんとミッシエルガンさんのラストシーン、野武士とBの教授のバズマーケティング大立ち回り前の照明変化がお気に入りです。「劇やん!」ってなっていました。いや、まあ、劇なんですけど。
 『リリィは、まわる。』『ハロー、ノストラダムス。』と続けて三、四作目になりますが、フィガロ公演の大切なところをいつも考えていただき、本当にありがとうございました。
 頼りにさせてもらっています。

 そして音響のミツキさんも本当に急遽の中、お仕事していただいてありがとうございました。他にもさまざまなことをしていただいたそうで(店前の宣伝なども書いていただいたそうです。多謝!)色々な面で助かりました。本当に助けられているなと実感しています。

 本当に本当に楽しかったです。祭りでした。わっしょい。


 ここからは、自分の話を少し。

 私は、面白い作品を作っている自負があります。けれど、一方で届かせないといけないと思うことも多いです。作っていても見てもらわなければ意味がありません。

 そこで私は一つギアを上げることを決意しました。それは、さまざまな賞に私の作品を送ることです。つまるところ、新しい仕事をいただくのも、作品を消費してもらうのも、何か肩書きのようなものがあればより多くのものが手に入るのではないか、と。

 毎日エッセイを執筆して、書くことへの耐性を整えてきました。これからは月一回程度、賞と名のつくものに応募を使用と考えています。ここで何かが得られれば、より私の作品を届けられるのではないかと思うのです。

 そのために私は、過去の大好きな作品を出し惜しみすることをやめました。個人的な思い出でキラキラと輝いている二作。けれど、人の目に見てもらわなければいつまでも自分と共犯の皆様だけの心にしか残らない。幸い、素敵な出演者にも恵まれ、リバイバルは最高の形で幕を降ろしました。想いはあの頃のまま、けれど技術や速度はあの頃を超越したのではないかなあ、と思います。

 私の将来の夢は、学校の先生と、小説家と、お笑い芸人でした。しかし私は欲張りなので三つとも叶えます。我ながら随分ヘンテコな人生だとは思います。

 改めまして、文芸サークル『バケツズ』の主宰、横林大です。今の目標は『肩書きを得て自身がレベルアップする』ことです。

 これからもよろしくお願いします。


 そして、私がこうやって活動できているのは、会場に来られる皆様、気にかけていただく皆様のおかげです。

 皆さんの人生が、ほんの少しだけ楽しく幸せになることを願いながら。

 次回、新作朗読劇『へるへるへるへ』でお会いしましょう。

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