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昔好きだった子が、テレビでオールナイトフジコに出てたら、ちょっとだけ泣くかもなあ。

 別になんだっていい。
 女優とか、声優とか、コスプレイヤーとか。

 オールナイトフジコ。
 オールナイトフジコのレギュラーで出ていたら、少しきついな。
 ちょっと泣いちゃうかもな。

 なんで数多ある選択肢の中で、オールナイトフジコなんだ、って。
 インスタもティックトックもあるご時世で、なんで平成初期の深夜バラエティの流れを水で薄くしたテレビに出ているんだ、って。

 タイトルとか、すごいよ。なんだ、フジコって。
 これは闇の力? 闇の力が働いてつけられたネーミングなの?

 もうフジに、往年のフジ的な力がないのに、どうして往年の轍を踏むの?
 思い出作りなの? 誰かしらのエンディングノートなの?

 もう、やめよう。
 意味がなさすぎるから、やめよう。
 あれは、虚だよ。
 公共の電波に乗せた虚。

 そんな番組に出ている感度が悲しいのかもしれない。
 ほとんど他人事みたいな彼女のことを。
 そこまでの、そこまでの承認欲求なの、って。
 何か、思わず考えてしまうのだろう。

 で、再会した時に冷たく「そうやで。」って言われるまでがワンセット。

 その日の帰りは慣れないハイボールを浴びるように飲むかもしれないな。

 ゴイステの『BABY BABY』を口ずさみながら。



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