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脱毛クリームアフター
私は毛深い。
本当に残念だが、これは事実なのである。
多少の毛深いではない。
もう、すごい毛深い。
密林ではないかと噂されるくらいの濃さなのだ。
きっと野生の蟻が入り込めば迷えるくらいである。
ちなみにあまりに濃すぎて背中の毛、背毛が生えている。
正義側か敵側かで言えば悪側の生え具合だ。
なんて悲しきモンスター。
一人称を「おで」にでもしてみようか。
なので、羊の毛刈りのように月1・2回、脱毛フェスティバルが開催される。
なぜ、祭りなどを冠するかといえばそこまで言わないとやってられないからだ。
もちろんカミソリで行うパターンもあるのだが、それをやるとこだわりのラーメン作りくらい手間暇がすごいので、私は脱毛クリームを使っている。
この脱毛クリームを全身に塗りたくり、待っている時間が人生で一番情けない。
だが、耐える時間があるからこそ人は輝ける瞬間があるというものだ。
私の祭りは、待ちの時間も多いと言える。
そうして10分後くらいに、固まった毛をポロポロと薙ぎ倒していくわけなのだが、私が今日話題にしたいのはこの後のことである。
脱毛クリームを使って、半日くらい経った後にシャンプーするの、めちゃくちゃ怖くない?
これ。
これである。
みなさんは経験ないだろうか、効力が残っている可能性を感じたことを。
指先にクリームの効果が残っていたら頭皮にダイレクトアタックするわけだ、シャンプーという行為は。
頭まで脱毛してしまったらどうしよう。強制出家スタイルになってしまったら。
いや、多分、大丈夫なのだろう本当は。
これを直にクリームドーンであれば、強制出家モード突入なのだろうが。
でも万が一の可能性がある。
今が、まさにそれなのだが、どうしよう。
ハンドソープを信じる他ないのか。
キレイキレイは脱毛クリームの効果すらキレイキレイしてくれるのか。
そうやって私は、疑心暗鬼にありながら毎回肌をツルツルにしていく。
シンデレラの魔法のように、期間の限られたツルツル。
怪物が真人間になる日は、一体いつ来るのだろうか。
手先のクリームに恐怖を感じつつ、今日もまた静かに祭りが開催される。