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諫早にて
出張で諫早を訪れた。長崎県中央部に位置する県下人口第三位の都市だ。
鑑定の仕事が終わりホテルに戻ると、紹介された近くの居酒屋に足を運んだ。
「諫早の名産は何ですかね?」
「そうですね、鰻とおこしといわれていますが、あまりパッとしないですね。」
「そうですか。」
私は、その大将の平凡な回答がつまらなかった。
大将が申し訳なさそうな顔をしてその日とれたての鯖のお造りを熱燗と一緒にスッと出してくれた。口に入れた途端、甘くて思わず、「これはうまい!」と感激した。
長崎港から仕入れている厳選された食材での大将のもてなしに感謝した。
どうしてどうして? 何を謙遜しているの? うまいものだらけだ。
翌日のホテルの朝食にも驚いた。とにかくご飯が美味しい。諫早平野の新米と、地元養鶏場のとれたて卵と、有明海焼きのりと、鰺の開き。地元食材で溢れた献立だ。十分満喫できた。豪勢でない、地味な食材ばかりだが味は絶品だ。
市内を歩き回り疲れて帰ってきた時に、近くの店で地元の中学生と食べたホクホクのコロッケ、うまかったなあ。
地元の人にはパッとしない所かも知れないが、私にはこの食事だけで十分魅力的な場所だと思った。初めての諫早、また行きたくなった。