N. コスト「舟唄」〜 「青本」和声分析38
N. Coste: Barcarolle 概要
イ長調。A - B - Aの三分形式。中間部でホ長調(属調)に転調。
Récréation du guitariste, Op.51に収録の小品。
「舟唄」というと個人的には6/8拍子のイメージが強いがこの作品は3/8となっている。
各パートは、ほぼ同じフレーズを末尾を少し変えて2回繰り返す形になっていており、和声も同様のものとなっている。
和声分析
A
5小節目と13小節目の休符の違いがミソ。一見装飾音の違いだけのようだが、3泊目の休符の有無で振るべき記号が変わるだろう。実演上でそこまでの違いは出ないかもしれないが、古典的な和声にはないIVの第二転回形からIの第二転回形への進行をこれで避けていると考えた。
B
ホ長調に転調。
19、23 & 27小節目はどれも和声記号を振ったが、2拍目は経過音として捉えることもできる。
21 & 29小節目についてはその後の小節の冒頭でも同じ音が鳴らされ、下属和音の構成音にすぐいかないため、dis音は意識されるべき音と考えて経過音ではなくIの七の和音とした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?