F. ソル「ギャロップ」〜 「青本」和声分析47(完)
F. Sor: Galop 概要
馬術の「ギャロップ」に由来する舞曲。
ト長調。複合三分形式。中間部では平行調(ホ短調)に転調。
また中間部を2つのパートに分けるか3つに分けるかという判断は分かれるところだと思うが、便宜上A1, A2, B1, B2と区切った。
和声分析
A1
IとVのみという非常にシンプルな和声進行。
A2
ここも和声記号を振るならベースがずっとDとなっているのでVとなるが、その中ではVとIが交互に登場している。また12小節目のcisとaisの音はVの中だからこそ使いやすい音とも言えるかもしれない。
B1
ここもIとVのみとシンプルな和声進行となっている。
また最初で低音でE音が鳴らされるが、その後は最低音がGとなっていて、またその後の属七の和音も第一転回形なので、響きは軽いものとなっている。
下段最後の部分は基本形なので終止感強め。
B2
前半はひたすらH音が鳴らされているのでVとなるが、最後のC - H - C - Ais - Hの音型をどうするかというのは解釈が分かれると思われる。私は刺繍音のようなものと考えたが、Vに対するドミナントとも捉えることができる。
もしこの曲をピアノだったりオーケストラに編曲することを考えると、全てのパートで同じ動きをするのでも良いけれど、低音でHを鳴らし続けるパターン、Fisを鳴らすパターン等も考えられる。
後半はB1の後半と同じ。
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