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作者不詳「ウィルソンズ・ワイルド」〜 「青本」和声分析35
Anonymus: Willson's wilde 概要
イ長調。構成はA - B - Cとなっていて、それぞれの後半部分は前半部分の変奏となっている。
「1600年頃、ルネサンス期の小品でDowland Lute Book, MS V.b.280 (olim 1610.1)に載っていたものが有名なため、しばしばダウランドの作品とされることもあるが、この曲集自体がダウランドやその家族のものだったのかも不明」とのこと。
和声分析
A
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ルネサンス期の作品ではあるが、全編を通じて機能和声的解釈で困る部分はない。
前半と後半で和声も同じため記号は省略した。
ただ6小節目はIV - I - Vという進行と捉えることもできるかもしれない。
B
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T - SD - Dの進行の繰り返し。
C
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跳ねる音型がないため前半は、A&Bと比べてずっしりとした印象。
和声は前半と後半でほぼ一緒だが、18小節目ではD音が出てこなかったり、一番最後の小節の頭でIが出てこなかったりという変化がある。