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中指のにおいを嗅げ!

生身の人間と対峙することは大切だと思う。
それは、将棋においても、然り。

いったい何を言い出すんだこのアナログ化石野郎と揶揄されるかもしれないが、しかして今一度言わせていただきたい。
生身の人間と対峙することは大切だと思う。

いつも「将棋ウォーズ」でオンライン対局ばかり指しがちな昨今のアマチュア将棋事情ではあるが、たまには外に出て、道場に行ってみたり大会に参加してみたりすることを、切に推す。
人間のにおいを感じてほしいからだ。

人間のにおいを感じる、とは。
それをこのオンライン上で言語化してしまうのは、これまた実に味気なく遺憾ではあるが、言ってしまえば単純至極、つまり「目の前に他者がいることの実感」や「他者の実感に由来する緊張や弛緩」を咀嚼することに尽きる。
オンライン上では感じられない趣を身体で味わうのだ。

例えば、いくら女体を隈なく想像し、撫ぜ、あるいは舐めたとしても、そこに人間のにおいは立ち現れない。
現実の女体と対峙し、膣に中指を挿入し、丁寧に愛撫した先に、そのにおいはある。
彼女が目を逸らした隙に、体液のついた中指を嗅いでみるといい。
それこそが、人間のにおいだ。

だれひとりとして同じにおいではない。
腐臭と感じる向きもあるだろう、芳香と感じる向きもあるだろう、あるいは無臭とも……
ひとりの人間のにおい、それを生々しく感じることこそ、至上の趣なのだ。

中指は立てるものではない、嗅ぐものだ。

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