読書ノート 「津島佑子 土地の記憶、いのちの海」
先に述べておくが私は津島佑子の信奉者でもなければ愛読者でもない。しかしでも全く何もない水平線の位置からこの著作を読む。読む理由は以下にあるような事柄以上は何もない。
津島佑子は太宰治の次女。2016年2月に急逝した。1947年生まれ。彼女が1歳のときに父は死んだ。6歳年上の姉、3歳年上のダウン症の兄とともに、母子家庭で育つ。佑子(本名里子)が12歳のときに、兄は亡くなった。肉親や家族を題材とする小説を多く書き、中上健次らと交流した。結婚後、別の男との間に長男(8歳で急死)をもうけ、その後離婚している。その後、少数民族や歴史的に排除され、存在しなかったことにされてゆく人々への共感を表す作品を書く。
アイヌ民族をテーマとした作品で、ル・クレジオとの交流も行う。そう、なぜこの本を借りたかと言えば、図書館のホームページでクレジオの著作を検索していたらヒットしたからなのだ。
「謝肉祭」、「私」、「火の山」(NHK連続テレビ小説「純情きらり」原案)「黄金の夢の歌」、などを読んでみたいと思う。自身の中核に、夢を置き、それによる死者との語らいや癒やしへの道を描くひとで、精錬されたプライヴェートな世界に不遜ながらおじゃましてみたいと思う。
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