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世界を、構築する、構築したものを描写する。⑩ガストン・バシュラール「火の精神分析」

 「火は超ー生命である。火は内的であり、かつ普遍的である。それは我々の心の内に生きる。それは実体の内奥からたちのぼり、のように身を捧げる。それは物の中に再び降ってゆき、憎しみと復讐の心のように潜み、抑えられて身を隠す。全ての諸現象のうちでそれは実に相違なる二つの価値付け、すなわち善と悪とを同時に断固として受け入れることのできる唯一つのものである。それは楽園で光り輝き、地獄に燃える。それは優しさであり、責苦である。それは煮炊きする火であり黙示の火でもある」

「すなわち、社会的禁止こそそもそも火に対する我々の最初の『一般的認識』なのであると。火についてわれわれが最初に学ぶことは火に触れてはならないということである」
(火と尊崇 プロメテウス・コンプレックス)


「どんなに時代を遡ってみようが美食の価値の方がやはり栄養価値に優先していよう。つまり人間がその精神を発見したのは喜びの中であって苦しみの中にではない。余剰の征服は必要の征服よりも大きい心的興奮を与える。人間は欲望を創造するものであって必要を創造するものでは断じてない」


ヘルダーリン「エンペドクレス」
(火と夢想 エンペドクレス・コンプレックス)


「火を盗むものは大抵、鳥、つまり、鷦鷯、駒鳥、蜂鳥、といった小さな動物である。時としてそれは尾の先で火を運ぶ兎、穴熊、あるいは狐であることもある」

女たち、老婆

温和な火、陰険な火、反逆的な火、暴れる火

「隠喩から実在へ」

「『滲み入る』こと、事物の内部にまで、存在の内部にまで立ち入らんとするこの希求は内奥の熱の直感のひとつの索引作用なのである。眼の届かぬところ、手で触れることのできないところ、そこに熱は秘かに忍び込む。内部でのこの交感、洞穴、鉱山への下降においてその象徴を見出すだろう」
(精神分析と先史 ノヴァーリス・コンプレックス)


『性化された火』はすぐれて一切の象徴を繋ぎ止める環である
(性化された火)


火酒(ブランデー)

火蜥蜴(サラマンダー)、火の精(サラマンドル)

地の精(グノーム)、水の精(オンディーヌ)、空気の精(スイルフィード)

火は「豊穣な原初のコンプレックス」(ユング)

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