見出し画像

9. Noviembre amargo

そう、それは
 
灯台の眩しさを直視できないでいる僕と
灯台から暗い海を眺めている君と
そんな違い
 
その意味がそのときは
わからなかった
 
わかっていれば
ひとりで星をながめることなんてなかったのにね
 
橙の流星がひとつ
せわしなく右から左をつっきった
 
寝転んだ草のうえ
 
生まれて初めてみるそれは
溶岩みたい、なまなましくって
なんだかイメージとちがった
もっときれいなものと思っていた
 
今日という時間を思い返していた
僕の非日常 君の日常
交わるひとつの暗い大部屋
 
明けきらない朝もやの中
背中あわせ歩き出す結末
  
『キミならきっとおいかけちゃうよね』
 
そのことば、
図星過ぎて言葉をなくした

君は 何を思った?
 
そしてそれから
君はそのまま
 
最後まで
演じきったよね


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?