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14. さいかつ

ただ待った
経過を

こごえる水の中
さしのべられる小さな白さを

誰の目にも つくことなく
じっと 河底にうずくまっている
名もなき石のように
こんなにも透き通っているのに
水の厚みが視界を濁らせる
白か黒 それしかない場所から
ゆらゆらさだまらない水の動きを見上げていた。

よりかかった時間を
戻すことも進めることも
できはしないまま

『一日あわざれば三秋のごとし』

中国の人が言ったんだっけ

そのことばに 響きに
共感と実感が擦り合わさって
音が立ち自身を
ねじ切り うねり
そうなるまでの時間は
さほどもかからず
けれど
そのすこしが待てなくって

今すぐにでも会いたくて
はやく 会いたくて

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