『食べる人の献立学』
1.大人にも「食育」を!
“食育って、今はまだ子ども中心な気がする…”
私がNoteでの製作をしてみたいと思ったきっかけは、こんな想いからでした。お子さんがいらっしゃるお家なら食育ということばに接する機会はあると思うのですが、大人だけの生活圏にいらっしゃるかたには“食育?なんかやってるね…”くらいの感覚ではと感じたからです。もう大人だから、子どもたちよりも「食で築いていくこれから」が緊急性の低いものと感じて「食育を遠くに感じている方」もいるかもしれないとも思えたのです。
日本は“食においては”非常に豊かな状況が長く、当たり前のように続いています。陰に隠れていた食糧問題などは、環境の危機や世界情勢の変化に伴いやっと取り組まれるようになりました。どのライフステージにおいても「食で築いていくこれから」のために、よりよく食べていくことは少なくとも“知らないよりは知っていたほうがいい”と思います。何かカラダで不具合が起きて口にする物を制限されるようになることは、じつは「十分危機的なこと」だと思います。
学生時代に「遍食」ということばに触れて、とても納得しました。健康的なカラダの状態を維持するためには様々な栄養素が必要で、そのためには「いろいろな食品から栄養素を摂る必要がある」そのためには偏って食べる「偏食」ではなく、多様にまんべんなく食べる「遍食」が理想的であるという主旨でした。そして“食べたら動く”が基本ということ。活動のために食事をするので、しっかり食べた分を活動して使ってしまえば「栄養のとりすぎ」はおこらない…。食は“生きるためのもの”という基本において「遍食」という考え方は“大人の食育”の柱になるのではと思います。子どもよりも味覚が拡がっている大人だからこそ「遍食」が実践しやすくなるからです。
『作る人のための献立学』を書く前から『食べる人のための献立学』もまとめてみたいと思っていました。忙しくて食事を作る時間がないとか“このままの食事でいいのか…じつは気になってる”とか、たぶん「よくない食習慣」だけど修正の仕方がわからないといった問題を抱えている方はきっといる…!『食べる人のための献立学』は、病気になっていないけど、よりよい食べかたについて“どこで・誰に聞いたらいいかわからない”というかたへのヒントくらいにはなるのではないかと思っています。自分で作る食事じゃないからこそ「選び方や食べ方に工夫をすること」で、もっと健康的な食生活に近づくことは可能だと思います。何より、私も「食べる人」でもあるのです。“自分の「これから」ためにも”考えていこうと思います。