献立の“材料となる”もの 〜前編〜
“献立の材料…”変なことばですよね。しっくりくることばがないので(仮)という感じなのですが、つまりは「献立が決まるときの決め手になること」です。
“どうやって毎日の献立を決めているの?”私が栄養士であることを知っている友人から一度はかけられることばです。職業として献立というものに日々携わってみて、実際「大もとの献立」を決めるときは、じつはそれほど多くのことを考えて献立を決めているわけではない場合が多いように思います。考えた献立が、実際たくさんの人に食べていただくところまできて諸々の調整が必要になることが多いので、給食時代は献立と同時進行で「考えなければならないこと」にも追われていた気がします。ここでは一般的な家庭料理の献立を決めるものについて「私の場合」として紹介したいと思います。
1.私の「食欲」
結局私はお料理が好きなんだと思いますが、それと同じくらい食べることが好きなんだと思います。思いおこせば飲食店を営む実家で育ち、生活のすぐそばに「お客様に売る食べものと家族が食べるもの」が常に共存していました。包丁やガスを使えるようになると、忙しい大人を助けるため“見よう見まね”で妹弟が食べるためのおやつやお昼ご飯などを作ったものです。お手伝いの中で、私はほぼ祖母から料理を教わりました。母が亡くなったとき、私が家族の食事作りの担当になりました。家族の食事用の台所を任されたときに、仕事である「学校給食の献立」と同時進行で家庭の献立も考えることになり、自然と“給食で食べなかったもの”が「今夜食べたいもの”」となり、わが家の晩ごはんは“私が献立だ!”という感じになりました。家庭を持った今…私が余程疲れていて、まったく献立がひらめかないことがたまにあります。そんなときは家族に“なに食べたい?”と助けを求めます。このセリフが出たときは家族が私を適度に労って、わが家では「手抜きメニュー」と呼んでいるような献立を提案してもらえます。
2.冷蔵庫の中身
食べたいものがひらめいたら、今家にあるものを確認します。あるいは「急ぎの食材がないか」確認をします。急ぎの食材があるときは、大抵アタマに入っているので、その食材を優先して使うメニューを作ることになります。反対に食材を買うときに“何回で使いきるか”という視点を持つようにすると、ある程度先の献立も出来てしまうので一石二鳥…時間短縮に繋がります。
あと2つご紹介したいのですが、少し長くなったので今回はここまでにします。
またお付き合いいただけたらうれしいです。
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