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【緊急事態日記4】おやつを食べたい。今日はおやつを食べていないので。
4月25日(土)、18日目。
AM9:30起床。晴れ。休みなのでのそりと起きる。
朝ご飯はコーヒー。
テレビを聞きながら洗濯。JR福知山線脱線事故からきょうで15年というニュースが流れた。
乗っていた電車が脱線してマンションに突っ込み、乗客100人以上死亡。こんな事故が日本で起きたことが信じられない。
ふと、昨日、保阪正康が「非常事態下の日本」とかいう題で寄稿した新聞コラムを読んだことを思い出す。
・100年前は、スペイン風邪→株の暴落→大恐慌→戦争でツケを払った。
・敗戦の教訓は、「敵」を知る。対抗手段を考える。自分たちに対抗力があるかを検討する。国民を納得させる説得力を示す。現状と経過を正確に伝える。終結のめどを伝える。これができていなかった。
・個別の現場がバラバラではなく、総合して機能させる。いまのコロナ対応も、こうしたシステム化ができていないのでは。教訓が生かされていないのでは。
こんなところが記憶に残っていた。
「失敗の本質」という本があったけれど、JRの事故では、JR西日本が以前にも大きな事故をおこし、その教訓が生かされなかった、というような記事を読んだことがある。
繰り返しってことは、歴史から学べていないってことだよね。残念な気持ちになり、自分も気をつけようと思い、「失敗の本質」と書く。
天気がよいので、子どもと出かけようかと相談する。遊具に規制線が張られた公園とは別の公園に行ってみることにし、少し早めに昼ご飯。フレンチトーストが食べたいというので、つくる。
子どもは自転車で、私は走って追いかけて、公園に向かう。この公園は広くて、3密もくそもないだろう……と高をくくっていたら、いるわいるわ。まあ、それでも3密にならないくらい広いのだけれど。
保育園時代のお友達一家が2組、先に遊んでいて、合流。会うのは久しぶり。2時間くらい子どもたちとドッジボール。マスクしながらの親たちは、酸欠状態。
それなのに自転車に伴走し、家の近くの公園まで戻ってきたのに、子どもがいつも遊んでいるお友達を発見し、公園をはしごする羽目に。
規制線が張られた遊具では遊べないけど、走ったりボール遊びくらいはできるので、今日はにぎやかな公園に戻っていた。それだけは良かった。
家に帰り、風呂に入れる。晩ご飯の前なのに
「おやつを食べたい。今日はおやつを食べていないので」
と、論理的な物言いをしたので、ちょっと感心して焼きリンゴをつくる。
食べ終わってから「洗濯物をたたもう」と言うと、素直にたたみ、たんすにしまう。2度感心し、晩ご飯はリクエストにお応えして、インドカレー屋さんで買ってくる。
週1くらいで通っていたのに、1カ月ぶりぐらい。超久しぶり。客ゼロながらデリバリーの人が行ったり来たりしているので、外でできるのを待つ。
つぶれることはなさそうで、安心した。サグチキン(中辛)、牛すじ(中辛)、シーフード(甘口)、チーズナン、ナン2枚を持って帰り、食べる。
疲れたので21:00就寝。しかし、1:00に目が覚めてしまった……。
4月26日(日)、19日目。
AM7:00起床。二度寝で体が重いが、目覚めは良い。一人散歩に出る。気持ちが良い。
コーヒーを飲んで、家族で散歩に出る。いつもは使わないJRの方へ目的地も定めずぶらぶら向かう。駅前はわりと人がいた。
商店街で創作中華料理屋がお惣菜を売っている。おいしそうだと思ったが、500円~1200円と高め。通り過ぎようとしたが、子どもが見入ってしまい、店員さんにつかまる。
「一つ買う?」と仕方なく聞くと、一番高いものを指がさしていらっしゃる。
あとでケーキを買おうと別のえさをまき、一番値段が低い大根餅の春巻きを買う。ここで500円使うとは思わなんだ。
そのままでかい公園の方へだらだらと歩いていると、果たしてケーキ屋で子どもが立ち止まる。
「持って帰れるものを一つだよ」
「(家族)みんな1個ずつ」
「一つで分けっこで平気だよ」
「だったら二つ」
と、交渉あるあるを繰り返した末に、お決まりの敗北。シトロンサブレとピスタチオのマカロンを買う。また500円。
さすがにお腹がすいたので、おじいさんがやっている昔ながらのパン屋で昼食を買う。学校の購買部のような品揃え・店構え。カレーパン、コロッケパン、リンゴのパン、きなこ揚げクリームパンを四つ購入して500円せず。こうでなくっちゃねえ。
公園のベンチで家族でパンをかぶりつき、またぶらぶらと歩いて家に帰る。
コロナの自粛でもう長いこと外食していない。こちらも我慢だが、お店は致し方ないから大変だ。
経営に困ってるかもしれないし、我が家が好きな穴場系の中華料理屋でも、お持ち帰りとか始めているかもしれない。
「様子を見て、持ち帰れたら、それで夕食にしようか?」
即決。夕方、一人で買い出しに行ってみる。
「久しぶり」
「ごめんね、来れなくて」
「いえいえ、仕方ないですよ。一人?」
「実は、持ち帰りとか、できたりしないかと思って」
「できますよ~」
やったーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
干豆腐、餃子、黒酢の酢豚、角煮、水煮牛肉と買いまくり、「持てます?」と心配される声もそこそこに帰宅し、みんなでおいしくいただきました。
早くコロナ、なんとかならんかな……。
22:00就寝。
4月27日(月)、20日目。
AM7:30起床。お茶だけ。
朝いちで、だいぶ前に予約してあった歯医者へ行く。医療機関は久しぶり。こんな時でもやっているから、ありがたいなあとしみじみ。
髪の毛もそろそろ切りたいところだけれど、こちらはお休みが多い。仕方ないよなあとと、しばらく伸ばすことにする。緊急事態でなくなったら、記念にアフロにでもしてみようかしら、とか前向きな夢想をする。
10:30~19:00、在宅勤務。
昼は昨日の残りの角煮、黒酢の酢豚を温めて、ご飯にのせて食べる。変わり種の二食丼みたいだけれど、むちゃくちゃおいしい。
たまっていた業務をこなす。
書道パフォーマンス甲子園が中止になったという記事を見かける。
インターハイもないし、夏の甲子園も難しいだろうし。ないないづくしだな……とか書こうと思ったのだが、Zoom会議の時間に突入し、筆を置く。
この日は会議でいろいろ話し合い、その後の進め方についても一人考えていたので、晩ご飯の時間になってしまい、結局、一筆をできずじまい。
晩ご飯は子どもがざるそばを食べたいという言うので、ゆでる。大人はぶりの照り焼き。
22:00、就寝。
4月28日(火)、21日目。
AM8:00起床。朝ご飯は、紅茶とトースト。
9:00~17:30、在宅勤務。
午後にオンライン会議が2件入っているので午前中にこなす業務を集中させる。
子どもが「こくご」「こうさく」を自習するので、
「えらい!」
とほめつつ、「じゃあ昼ご飯は『かていか』の時間にしよう、一緒に料理だ~~」と、またパンかと思いつつ、たまごサンドをつくる。
子どもは卵を割るのに失敗した、卵を返すのがうまくいかなかった、と落ち込んでいる。そのうちできるようになるよ。練習練習と励ますが、いつもの通りに、私つくる人、あなた食べる人。まあいいか。
会議にちょろちょろ参加する子どもに暖かく接してもらい、なんとか勤務を終えたので、公園に連れて行こうかと外を見ると、雨。しかも雷まで。
「お仕事ばかりでつまんない。お外に出られなくてつまんない」
ごもっとも。
「通り雨そうだから、やむまで何する?」
と機嫌を取って時間をやり過ごし、雨がやんでから30分だけ散歩に連れ出した。晩ご飯はミートソース。
なんだか疲労感に襲われ、思いついた「寝落ち」と一筆書く。
しかし、書くだけ書いて、撃沈……。
4月29日(水)、22日目。
AM7:00起床。良く寝たのですっきり。天気もすっきり。家族がまだ寝ているので一人散歩に出る。
朝ご飯はトースト、コーヒー。最近、パンばかり。大好きなんだけど。
子どもは外へ遊びに行く。その間に、休みではあるが、やらないといけない仕事にとりかかる。
昼ご飯は親子丼。ただ、鶏肉ではなくサバ味噌缶でつくったので、親子ではない。
「おいしいね、これなんていう料理?」と子どもに聞かれ、正確を期して一から説明したのだが、話が長くて飽きたらしく、生返事でまた遊びに行ってしまった。
仕事再開……しかし、BS1でコロナ危機「グローバル経済 複雑性への挑戦」という番組がやっており、思わず見入る。
なるほど~~と思うことが多い。見て良かったなとかためになったなとか思える報道番組は本当に少ない。これはためになった。
仕事を終えて、今日は何を書くかと考える。
今日は「昭和の日」。元号を久しぶりに意識した。去年の今ごろは令和で持ちきりだったが、遠い昔のよう。いかに今が非日常なのかと改めて思うなあ。
じゃあそれで書くかと思ったのだが、緊急事態宣言が延長されるらしいというニュースを知る。
都内の感染者数の勢いは数こそ軟化っぽく見えるけど、医療関係者は疲労困憊だろうし、ワクチンやら薬がない以上、抑えるだけ抑えないとまずい。
それは理解しつつ、延長って言葉は、終わりが見えていることを前提に使う言葉じゃないですかね?
とも皮肉りたくなり、「延長?」と書き、ゆうべの「寝落ち」と連投する。
晩ご飯はミートソースの残りを転用したラザニアと、たこ焼き。くるくる自分で回してつくれるから、子どもは楽しそうだった。
22:00、就寝。
4月30日(木)、23日目。
AM7:00起床。晴れ。久しぶりに出勤。
春夏ものの服を出していなかったので、暑い。電車の窓が開いているのは、子どもの頃はよく見かけたものですが、とんとご無沙汰。入ってくる風が心地よい。
それでも暑くて、季節の移ろいを感じる。自分が、冬眠中の穴ぐらから出てきた生き物みたいに思えてくる。そういえば去年の今ごろは令和フィーバーだったっけ。
職場は、時差出勤でゆっくりと出てくる人もいるが、在宅中心のため閑散。淡々と業務をこなす。
昼は家族経営で営業中の喫茶店で、シナモントーストとコーヒー。少ないが客が入っているので、一安心。大変だろうけど、頑張って欲しい。
午後はテレビ会議。出勤してなんだかなあと思うが、外部の方もいらっしゃるので致し方なし。あいさつもそこそこにじゃあ始めますかと議題に入る。
名刺が身分保証だとは言い切れないけど、これまでは相手に名刺を渡し、席について、という流れだった。それが名刺交換もしないで単刀直入的にスタートする。
「他にあります? なければ終わります」
とスパッと終わるところも良い。
リアル会議だと、まだ少し時間あるからとりあえず発言しておきますか的な、様子見的な、というかポジショントークをする人がわりといらっしゃる。
けれど、テレビ会議は次の方も使うし、まだサブ的な位置づけって気配もあるし、で、短時間が美徳。コトにフォーカスするっていうか。
これは日本の会社組織においてはものすごいカルチャーの変化ですよ。
これがサブでなくなれば、時間も労力ももっと実のあることに使える。だから私は結構きらいではない。コロナが過ぎても、定着してほしいと思っている。
新型コロナを巡って8カ国が中国政府に賠償請求しているというニュースを知る。
アメリカ、イギリス、イタリア、ドイツ、エジプト、インド、ナイジェリア、オーストラリア。エジプトとかナイジェリアとか、中国と関係良さそうな国も入っている。
コロナは中国が発生国だし、当初は適切な情報開示をしなかった結果、他国の感染拡大を誘発して損害を与えた。サプライチェーンがズタズタだから中国が世界の工場っつったって気兼ねなんかない!
ってことかもしれないが、請求が合計100兆ドル(1京1000兆円)!
「京」って金銭単位がまじめに書いてあるのを初めて見たような……。
このニュースがウソかマコトかは分からない。けど、戦勝国が敗戦国に賠償請求し、負けた方が払えないからやーめたっ、好きに力で自力再生しますとなってまた戦争、みたいな歴史の授業で習ったような流れにならないでほしい。そう思って「京」と記す。
晩ご飯は前夜に続いてたこ焼きと残りのラザニア。東北の知人とZoom飲み。途中でドイツからも一人参戦。さらに別のZoom飲み。
移動距離ゼロ。居酒屋のはしごは経験あるが、オンライン飲み会のはしごは初めて。安酒に安いつまみでお会計なし。暴飲暴食になりやすいことがよく分かりました。
23:30就寝。
新型コロナの緊急事態宣言(2020年4月7日)から、解除までの日々の記録をマガジンにまとめています。